「私は事業主であり、住人であるという両方の立場ですが、いつも委員会に参加して双方の貴重な意見を伺っています」と、吉田さん。
立山連峰を眺めながら
「パッシブタウン」のプロジェクトを構想された経緯をお話してくださいました。
「創業当時からYKKの本社は東京でしたが、工場や研究開発を黒部に集約してきました。海外では本社を中心地に置かず、流通面や住環境の良い街を選んできたので、日本の東京一極集中をいろんな意味から回避したいと考えていました」

国が“地方創生”を唱える前から、黒部への本社機能一部移転や街づくりを進めていた吉田さん (写真:片山貴博)
「黒部へ東京から社員が異動して問題だったのは、大きな戸建てはあっても住み慣れた大きさのマンションが無いことだったんですよ。
そんな最中の2011年に東日本大震災が起こり、エネルギー問題に直面したのも当プロジェクトのキッカケ。富山の自然を活用したパッシブデザインにより、エネルギー消費量を抑える住まい方に挑戦しようと思ったのです」

「ここに座って、立山連峰を眺めてるんだ」と、お気に入りの窓際に座らせてくれた(写真:片山貴博)

バルコニーからも、雄大な山並みが望め、空気も抜群! 手前の3階建がリノベーションの第3期街区K棟、屋上庭園の緑が見える(写真:片山貴博)
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