どんどん「迷宮化」新宿駅の工事いつ終わる? 今は東西自由通路の工事中、その次も控える

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利用者の増加と街の発展に合わせて工事が続いてきた新宿駅(撮影:尾形文繁)

現在新宿駅では、東西自由通路の新設工事と、この新しい通路と現在ある中央通路の間の盛土部を高架にする工事が行われている。自由通路は2012年に着工し、供用開始は2020年、完成は2021年度を目指している。盛土部を高架化する工事は2013年に着工した。こちらは2022年に完成の予定で、完成した際には改札内コンコースの混雑緩和がもたらされることになりそうだ。

その前にも新宿駅で工事をやっていたよね、と思う人は多いだろう。南口に面する国道20号跨線橋架替工事は2000年2月に着工し、2007年に桁の架替は完了。バスターミナルなどを建設する交通結節点整備事業工事は2006年に工事着手し、2016年に「バスタ新宿」が開業した。

新宿駅を利用している人は、「いったいいつまで新宿駅は工事をやっているのか?」と疑問に思うかもしれない。そして、「いつから工事をやっていたの?」ということも、考えてしまうのではないだろうか。

130年間の工事の歴史は

新宿駅の歴史を振り返ると、開業以来の約130年間はほとんど工事の連続だった。

新宿駅は1885年に開業した。当時開業したのは現在のJR山手線にあたる品川から赤羽を結ぶルートで、その途中に新宿駅が設けられた。当時は街はずれで列車も1日3往復、利用者は1日50人程度だったという。1889年には現在のJR中央線の前身である甲武鉄道によって新宿―立川間が開業した。

新宿駅は、この時代から改良や拡張が続いてきた。1897年には構内拡張工事、1906年には甲武鉄道の電車運転に伴い構内改良工事が行われた。1922年には新しい駅舎が着工したが、翌年の関東大震災で大破し、25年に新駅舎が完成した。震災後、大きな被害を受けた東京東部から西部への移住者が急増し、西側の玄関口である新宿は発展を遂げていく。

私鉄各線の乗り入れも進み、京王電気軌道(現在の京王電鉄)は1915年に新宿追分(現在の新宿3丁目付近)に駅を開業。1927年には小田急新宿駅が開業した。

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