悲惨な「子犬工場」を虐待容疑で裁けない実情

福井地検が業者と代表者を不起訴に

すし詰め状態で飼育されていた犬たち=2017年12月、福井県坂井市内(県内動物愛護グループ提供)

日本の法律では子犬工場を止めることができない

「日本の法律では子犬工場を止めることができないことに失望した」――。福井地検が動物愛護管理法違反(虐待)容疑について福井県内の動物販売業者などを不起訴処分としたことに対し、県内外の動物愛護団体メンバーらは嘆きの声を上げた。

昨年12月に県職員らと現場を視察した県内動物愛護グループは、「私たちは、(施設の)外に出されることもなく、一生子犬を産むことだけで終えることを地獄と主張している。倫理や道徳は失われたのか」と厳しく指摘。立ち入り権限のある県職員には「かわいそうな命を大量に増やさないためにできることはないか考えてほしい」と訴えた。

刑事告発した公益社団法人日本動物福祉協会の町屋奈(ない)調査員は「ネグレクト(必要な世話がされていない状態)が虐待であると、行政だけでなく司法でも認識されていない現状が露呈し、非常に残念」とコメント。「画像などから有識者により動物虐待と判断されており、現行法で対応できる」とし、検察審査会への申し立てを検討するという。

動物虐待防止活動に取り組む「公益財団法人動物環境・福祉協会Eva」理事長の女優杉本彩さんは、「虐待的な飼育で動物福祉が守られていなくても的確な処罰が下されない。数値規制をはじめ、虐待の厳罰化、繁殖業を免許制にするなどの法改正が必要不可欠」と訴えた。

ある自治体職員の獣医師は「繁殖を繰り返させる行為は個人的には反対だが、違法でない以上、どうしようもない」と苦しい胸の内を明かした。一方、県内のあるペット業界関係者は「業界に対する一般の人の視線は日に日に厳しさを増していると感じる。飼育員1人当たりの飼育数や繁殖回数など分かりやすい規制は業界にとっても必要」と話した。

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