トヨタだけに兄弟車が脈々と残っている事情 今日においてもなお意味のある存在だ

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兄弟車という価値観はなぜ生まれたのでしょうか(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

「兄弟車」とは

「アルファード/ヴェルファイア」「ノア/ヴォクシー/エスクァイア」「ルーミー/タンク」――。トヨタ自動車がラインナップする乗用車の中で、「兄弟車」と呼ばれる商品だ。それぞれ基本は同じクルマでありながら外観の一部がやや異なり、車名も別で、異なる販売店系列で売られるクルマを言う。

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日産自動車「セドリック/グロリア」、ホンダ「アコードインスパイア/ビガー」、マツダ「アンフィニMS-6/テルスターTX5」など、懐かしいマニアックな車種も含めて、かつてはトヨタ以外の自動車メーカーも普通乗用車で兄弟車をそろえていた。しかし、今日では、トヨタしか兄弟車は残っていない。そもそも今の日産にセドリック/グロリアというクルマは存在せず、事実上、「フーガ」がその後を継いでいる。

一方、軽自動車では顔つきの異なる品揃えがあり、ダイハツ工業には「ムーヴ/ムーヴカスタム」、「タント/タントカスタム」。スズキには「ワゴンR/ワゴンRスティングレー」、「スペーシア/スペーシアカスタム」、小型車の「ソリオ/ソリオバンディット」。ホンダには「N‐BOX/N‐BOXカスタム」、「N‐ワゴン/N‐ワゴンカスタム」などがある。

ただし軽自動車の場合は、トヨタの状況と異なる。トヨタは複数の販売店系列があり、系列の違いに合わせ、同じクルマでも外観や車名を変えることで兄弟車を成り立たせているが、軽自動車の場合は外観に対する顧客の志向や、ターボエンジン車があるかないかなど、若干の仕様違いの品揃えになる。

昔ながらの兄弟車という価値観はなぜ生まれ、そしてそれをそのまま今日に残すのが、なぜトヨタだけなのか。

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