北朝鮮の「米国は強盗」声明には深い意味がある

「強盗のような要求」とは何なのか

マイク・ポンペオ長官(左端)と金英哲朝鮮労働党副委員長(右端)(写真:Andrew Harnik/Pool via REUTERS)

6月12日の米朝首脳会談後、米朝間で事務レベルの交渉が継続的に行われている。ここで話し合われていることは、いったい何なのだろうか。

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「アメリカが要求しているCVID(完全な、検証可能な、不可逆的な核廃棄)に北朝鮮がコミットせず、交渉は平行線をたどっている。北朝鮮はアメリカの姿勢を強く非難し始めており、核廃棄へ向けた動きは頓挫するのではないか」との見方が報じられることが多くなっている。しかし、そのように大ざっぱな見方では現状を正しくとらえられない。

交渉では、いったい何が話し合われているのか。解説していこう。

「一方的に強盗のように要求」は正しい表現

まず米朝交渉の現状を俯瞰しておこう。

マイク・ポンペオ米国務長官は7月6~7日、平壌を訪問し(3回目)、朝鮮労働党の金英哲副委員長と非核化に向けて協議した。そして8日、東京で河野太郎外相、韓国の康京和外相と会って協議内容を共有した。金英哲副委員長は米側の主張を理解し、「完全で検証可能、不可逆的な非核化にコミットする」と再度約束したという。

ところが、同長官が平壌を離れた直後に、北朝鮮外務省は報道官声明を発表し、「米側は一方的に強盗のように要求してきた」と非難。こちらを北朝鮮の本意としてとらえ、「非核化は成功しない、米国は譲りすぎ」と思う人が増加しているようだが、事実はむしろ逆だ。北朝鮮の発表は、上品な物言いでないが、実情を率直に表している。

そもそも、米朝間で現在行われていることは何か。

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