退職後の「不健康な孤独」を避ける4つの方法 孤立を深めないようにする生き方はある

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 7月2日、米オハイオ州ウエストチェスターに住むモニカ・ドワイヤーさんが定年後の生活について考えるとき、思い出すのは家族ぐるみの友人だったポールさんのことだ。米カリフォルニア州ラホヤで2012年3月撮影(2018年 ロイター/Mike Blake)

[ニューヨーク 2日 ロイター] - 米オハイオ州ウエストチェスターに住むモニカ・ドワイヤーさんが定年後の生活について考えるとき、思い出すのは家族ぐるみの友人だったポールさんのことだ。

ポールさんには妻と子どもたちがいて、消費財大手プロクター・アンド・ギャンブルで良い地位に就いていた。だが妻はポールさんより15年早く亡くなり、次第にポールさんの社会的交流の幅は狭まっていった。同時に、懐具合も厳しくなった。

「食うや食わず」の状態になった

やがて、ポールさんは「食うや食わず」の状態になったと、ドワイヤーさんは振り返る。

冷え込むオハイオの冬のさなかでも、ポールさんは自宅の空調を13度に設定。死の直前は、運転できず、1つ1ドル(約110円)のマクドナルドのハンバーガーで食いつなぎ、子どもたちとは絶縁状態だったという。

「すっかり忘れ去られた存在になっていた」と、ドワイヤーさん。

ポールさんのような人の話を聞くことは普段あまりないかもしれない。だが、そのような人々は確かに存在する。医療保険大手シグナ<CI.N>が先月公表した研究によると、米国人の半数近くが時々、またはいつも「寂しい」と感じており、同研究はこれを国家的「伝染病」だと結論している。

「社会とのつながりが感じられず寂しいという話を顧客から聞くことが多かったので、米国の孤独感の状況を理解しようと研究を始めた」と、シグナのダグ・ネメセック最高医務責任者は話す。

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