ベルギー代表がW杯でここまで躍進した背景 日本人プレーヤーが語るサッカー環境の現在

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7月10日、サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は準決勝を行い、ベルギーはフランスに0ー1で敗戦して初の決勝進出を逃した。写真中央はベルギーのロベルト・マルティネス監督(写真:Michael Dalder/ロイター)

ロシアワールドカップで躍進したベルギー代表。日本代表と激闘を繰り広げたこともあり、ベルギーのサッカーを画面越しに体感した方も多いだろう。

そのベルギーのプロリーグであるJupiler Pro League(ジュピラー・プロ・リーグ)でプレーする日本人選手が急増している。ちなみにJupilerとはベルギー国内で最も人気のあるビールでベルギーサッカー1部リーグ、オランダサッカー2部リーグの冠スポンサーになっている。

日本人選手が増えている理由と、ベルギー代表の強さの理由を知るために現地に渡った。

まずはベルギーリーグの概要だ。

ベルギー1部リーグは16クラブがホーム&アウェー方式で30試合のリーグ戦を戦う。リーグ戦終了後に1~6位のチームは「プレーオフ1」に進出、リーグ戦7~15位のチームは2部リーグの上位3チームを加えて「プレーオフ2」に進出する。

「プレーオフ1」で優勝すればUEFAチャンピオンズリーグ本選出場、2位になれば同大会の3次予選出場と欧州の頂を目指せる大会に進出できる。

また、外国人枠がない点も特筆すべきルールだ(ただし、すべての公式戦において最低6人のベルギー国内で育成された選手の登録が必要)。

スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手がJ1・ヴィッセル神戸に移籍が決まった際、背番号変更の話とともに「Jリーグも外国人枠を撤廃しよう」という意見が出たことは記憶に新しい。

DMMがベルギーのサッカーチームを買収した理由

リーグのルールがわかったので、まずはシント=トロイデンという街へ。

ゲームや動画配信などを手掛けるDMM.com(以下、DMM)が昨年の11月にベルギー1部リーグのシント=トロイデンVVというチームの経営権を取得した。

取材に応じたCOOの村中悠介氏(写真:STVV NV)

数ある国の中でベルギーに目を向けた理由をシント=トロイデンVVの会長でDMMのCOOを務める村中悠介氏は3つの理由を述べた。

「①外国人枠がなく日本の良い若い選手(人材)がチャレンジできる。②周辺国へのアクセスが良く、バス移動もできてコンパクトな経営ができる。③公用語がフランス語、オランダ語、ドイツ語と3つあるがほとんどの方に英語が通じる」

①の若い日本人がチャレンジできる点だが、年代別の日本代表で活躍してきた冨安健洋選手が2018年初頭にアビスパ福岡からシント=トロイデンVVへ移籍し、5月に移籍後初出場を果たした。

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