元看護師「ワンショット注入」で混入速めたか

「三方活栓」を使って点滴チューブに消毒液

横浜市神奈川区の大口病院(現・横浜はじめ病院)で起きた連続中毒死事件で、入院患者の西川惣蔵(そうぞう)さん(当時88歳)への殺人容疑で逮捕された同病院の元看護師久保木愛弓容疑者(31)が、医療器具の「三方活栓」を使い、点滴チューブに消毒液を入れたと供述していることが、捜査関係者への取材で分かった。薬剤をより速く投与する場合に用いる「ワンショット注入」と呼ばれる手法で、久保木容疑者は「自分の担当時間になる前に亡くなってほしかった」とも供述。神奈川県警は、短時間で殺害する狙いだったとみている。

三方活栓は、点滴チューブの途中に取り付ける器具で、注入口に注射器をさし込み、薬剤を直接チューブに入れられる。点滴袋から徐々に投与するより、薬剤が短時間で体内に取り込まれる特徴があり、医療現場で日常的に使われている。

久保木容疑者は2016年9月18日午後3時~4時55分頃、担当する4階に入院していた西川さんの点滴に消毒液「ヂアミトール」を混ぜ、中毒死させたとして逮捕、送検された。

横浜地裁から移送される久保木容疑者(9日午後、横浜市中区で)

捜査関係者によると、同病院4階は主に終末期の患者を受け入れており、看護師の夜勤は午後5時頃に始まり、同3時頃から日勤との引き継ぎを行っていた。西川さんが死亡した18日、夜勤だった久保木容疑者は、引き継ぎ時間帯に西川さんの病室に1人で立ち入る姿が同僚に目撃されており、西川さんはこの直後の同5時前に容体が急変し、同7時頃に死亡した。

久保木容疑者は逮捕前の任意聴取で、「勤務中に患者が死ぬと、自分が家族に説明しなければならず、面倒で苦手だった」と供述。県警は、久保木容疑者が点滴を悪用することで、患者の体内に致死量の消毒液成分が入る時間をコントロールしようとしたとみている。西川さんについては、日勤の担当者らが帰る前に容体が急変すれば、家族への説明を免れると考え、三方活栓を使ったとみて調べる。

捜査関係者の話では、久保木容疑者は、西川さんと同室だった八巻信雄さん(当時88歳)も中毒死させたと認めており、西川さんが死亡した18日の夜勤中、ナースステーションで保管していた八巻さんの点滴袋に消毒液を混ぜたと供述。八巻さんは19日から、この点滴袋の中身を投与されたとみられ、久保木容疑者の退勤後の20日に中毒死した。

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