介護現場が2025年までに直面する重大な課題 人材育成を呼びかける若き経営者の危機感

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Join for Kaigo代表の秋本可愛さん(写真:GARDEN Journalism)
平成30年版高齢社会白書によると、2017年10月時点で65歳以上の人口は3515万人となり、高齢化率は27.7%に達しています。これは、現役世代2.3人で1人の65歳以上の者を支えているということになります。しかし、団塊の世代が75歳以上となる2025年にはさらに高齢者人口が増大し、65歳以上の者1人に対して1.9人の現役世代という「肩車型」の社会になることが予想されています(出典:平成30年版高齢白書)。また、65歳以上の認知症高齢者数も年々増加し、2025年には65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症となるという内閣府の推計もあります〔出典:平成29年版高齢白書 第1章 高齢化の状況(第2節 3)〕。
医療と介護のニーズの高まりを見込んで、政府は「2025年をメドに、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築」を推進しています(出典:厚生労働省 地域包括ケアシステム)。「病院から在宅へ」という方向性で在宅医療・介護連携の体制を整えていこうとしていますが、医療・介護従事者の人材確保など問題は山積しています。
そんな中、介護の未来を見据えて前向きにアクションを起こしている若者グループがあります。「KAIGO LEADERS (2018年5月に「HEISEI KAIGO LEADERS」から名称変更)」です。「課題解決に向けてアクションを起こす人を増やしたい」と2013年に東京でスタートし、現在全国展開を目指してとクラウドファンディング(現在支援募集中:今こそ介護の未来を変える。若手リーダーコミュニティを全国へ!)に取り組んでいます。
KAIGO LEADERS発起人で株式会社Join for Kaigo代表の秋本可愛さんに、介護現場の現状やKAIGO LEADERSとしての取り組み、そして今回のクラウドファンディングについてお話を伺いました。

「2025年問題」を前に、「一人ひとりのリーダーシップを」

:KAIGO LEADERSさんの活動は、すごく前向きで介護に関して希望を見出すなと思って見ていました。今回、クラウドファンディングを立ち上げようと思ったきっかけは何だったのですか?

本記事はGARDEN Journalism(運営会社:株式会社GARDEN)の提供記事です

秋本:東京を中心にKAIGO LEADERSという若手の介護領域のプレーヤーのコミュニティを5年間運営してきました。5周年を迎え、これから自分たちがどこまで目指すのかというのを改めて考える節目の年ということで、私たちが掲げているビジョン「2025年、介護のリーダーは日本のリーダになる。」について改めて考えました。

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