学校で広がる「起業家教育」、成功の2つの鍵 半径50センチ革命を起こす力を育てるには?

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現代の子どもたちが受ける教育は、親世代のそれとは大きく異なっています(写真:Greyscale / PIXTA)

いまや中学生の3分の1以上が「起業家教育」を受けているのをご存じだろうか。経済産業省が2015年に行った調査では、小学校の10%、中学校の33%がすでに起業家教育に取り組んでいる(全国の小中学校2000校対象、有効回答数569)。

政府が起業家教育に力を入れ始めたのは今から10年以上前。生産年齢人口の減少やグローバル化、技術革新などによって社会や職業の在り方が大きく変化する中で、子どもたちに未来を切り開いていく力を持たせる狙いがあった。経産省の管轄として始まり、現在は中小企業庁と文部科学省が主導している「起業家教育」だが、今後さらに加速する可能性がある。経産省が再び動き出したのだ。

経産省による教育改革の狙い

今年1月、経産省は教育サービス産業室を新設し『「未来の教室」とEdTech研究会』という取り組みを始めた。同研究会は、IT技術等を活⽤した新たな教育サービス(EdTech)などを用いた「学びの効率化」を主たる目的としていた。しかし6月25日に公表された第一次提言を見てみると、「学びの効率化」を通して、あるいはそれ以外の取り組みも含めて「どのような人材をどう育てていくのか」というところまで広く検討が進められていることがわかる。

そしてそのなかで、「「課題先進国」からイノベーションにあふれる「課題解決先進国」へ」という目指すべき国、社会の姿を示した上で、日本の教育が重視すべき要素の一つとして「50センチ革命」というキーワードを掲げたのだ。

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