1本10億円のワインが誕生する「合理的理由」 なぜこれほど「ピンからキリまで」なのか

拡大
縮小
単純な需給だけでは決まらない「ヴィンテージ価格のミステリー」をひもといてみましょう(写真:valentinrussanov/iStock)

高値がつく商品の正体は?

商品番号:1945DRC
価格:999,999,999円(税込1,079,999,999円)

 

一瞬目を疑う、何度も数字の桁数を数えてしまいそうな商品が楽天市場にあります。ホンダジェット(小型ジェット機)でも、約6億円で買えるこのご時世でこれだけの高値がつく商品は一体なんなのでしょうか。

ピカソの絵画? 確かに、ピカソが描いた「泣く女」は先日東京で行われたオークションで、10億円で落札されました。でも、おそらくピカソの絵画はオークションでしか買えないでしょう。

実は、この10億円商品の正体はワインです。3リットル瓶ではあるものの、たった1本でこの価格がつくワインの名は「ロマネ・コンティ 1945」。飲んだことはなくても、名前だけは聞いたことがありませんか? フランスはブルゴーニュ地方・ヴォーヌ・ロマネ村の最高峰の赤ワインです。

最高峰といえどもたかがワイン1本になぜこの価格がつくのか。そもそも、ワインの価格はどのような要素によって決まるのか。単純な需給だけでは決まらない「ヴィンテージ価格のミステリー」をひもといてみましょう。

このワインが高額な理由として、考えられるのは次の5つです。

・世界最高峰のワインとされるロマネ・コンティであること
・1945年ヴィンテージが、20世紀最高の出来栄えだったこと
・1945年のロマネ・コンティの生産本数が極めて少なかったこと
・1945年の前と後ではブドウの木が異なること
・3リットル瓶であること(瓶のサイズが大きい程価値が高い)。さらに、1945年の3リットル瓶は2本しか造られておらず、現存するのは世界でこの1本だけであること

いかがでしょうか? 「だからって、10億円はないでしょ!」と多くの方がきっと思うはずです(筆者も内心思っています……)。

次ページワインの原料は…
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT