空前の「猫ブーム」の裏に隠れた残酷な真実 後悔なく猫を飼うにはどうすればいいか?

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ブームにはメリットだけじゃなく、問題もつきものです(写真:Osobystist/iStock)

ここ数年、日本は空前の「猫ブーム」です。テレビや雑誌では猫をテーマにした特集が組まれ、インターネットでもその愛らしい姿を映した動画や画像が多数投稿されています。関連グッズの売れ行きも好調で、2016年2月に関西大学の名誉教授である宮本勝浩氏が発表したレポート「ネコノミクスの経済効果」によると、2015年の猫ブームがもたらした経済効果は2兆3162億円にのぼったそう。さらに昨年末には、「一般社団法人ペットフード協会」によって1994年の調査以来、初めて猫の飼育数が犬を上回ることも明らかになりました(猫が953万匹に対し、犬は892万匹)。

しかし、こうした一時的なブームにはメリットだけでなく、問題もつきものです。今回は猫ブームに見え隠れする問題点と、消費者がそれに巻き込まれないための方法について解説します。

ブーム終了後に増える「動物の殺処分」

ある動物の人気が急激に高まって飼育数や繁殖数が増えると、さまざまな問題が起きます。猫と同等の人気を持つ「犬ブーム」のときもそうでした。

1990年代~2000年代に漫画やCMをきっかけにシベリアンハスキーや、チワワ、トイプードルなどの犬種が人気を集めました。メディアでの露出が増えた犬種は、ペットショップでの人気も高まります。その結果、利益を優先する業者やブリーダーが「(ブームで)高値で売れるうちに」と話題になった犬種を過剰に繁殖させました。同時に、安易に犬を飼い始める人も増加。ブームが終わると、売れ残る犬や、飼い主に捨てられて野犬化する犬が増えて、彼らの多くが殺処分されました。環境省の統計資料によると、2016年の犬の殺処分数は1万424匹に対して、2004年から2006年までの殺処分数は毎年、年間10万匹を超えます。

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