過去5年で「給与も従業員数も減らした」100社 電力・資源関連企業が上位に目立つ結果に

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この5年で年収も従業員数も大きく減らした企業は、どのような顔ぶれでしょうか(写真:kieferpix/iStock)

東洋経済オンラインでは、6月12日に『過去5年で「給与も従業員数も増えた」500社』ランキングを発表した。今回は、その逆の「5年間で年収も従業員数も減らした100社」を発表しよう。

近年、景気は改善傾向だったこともあって、調査対象者数の2732社に対して、10万円以上年収が下がったうえ、10人以上従業員数も減らしたという基準に該当する企業は131社にとどまった。ランキングは2012年2月期から2013年1月期と、2017年2月期から2018年1月期の有価証券報告書の従業員数の注記に記載されている値を用いて、この5年間の平均年収と従業員数の変化を比較した。年収を減らした金額が多い企業から順に順位づけを行っている。

有価証券報告書の従業員数の注記には単体ベースの平均年収のみが記載されているため、すべての項目の基準を合わせるために、単体の値で調査した。ホールディングス制へ移行したことで従業員数を大きく減らし、年収が大幅に増えたケースがある。このようにホールディングス制へ移行した企業は、年収・従業員数ともにブレが大きいため調査対象外とした。なお、この5年で給与を100万円以上減らした企業は7社あった。

電力業界と資源系企業の減少が目立つ

上位には原発事故に揺れた電力業界や、資源安の影響を受けた企業が並んだ。1位は資源に強い総合商社の三井物産。直近の平均年収は1213万円と高い水準にあるものの、5年前と比べて148万円の減少となった。5年前と比べ従業員数は201人減り、平均年齢は42.4歳のまま変わらなかった。同じ総合商社からは、住友商事が9位にランクインしたほか、資源価格の影響を受けた石油元売り大手の出光興産も5位に入った。

2位は、電力業界から関西電力がランクイン。この期間に平均年齢は41.3歳から42.7歳へ上昇しているが、平均年収は5年前比で124万円減少し、681万円になった。単体の従業員数も2万人の大台を割り込む結果となった。

先日、半導体事業の売却が完了した東芝は15位に入った。年収は88万円、従業員数が4401人減少した。従業員数に着目すると、東芝以上に減少させていたのは、近年分社化を進めてきたソニーで、5年間で1万0391人の従業員数を減少させ、6185人となった。平均年齢は41.6歳から43.1歳へ上昇したが、年収は41万円の減少となった。

このランキングに入るような、従業員数の削減と平均年収の引き下げが行われた企業でも、経営再建の結果、業績の悪化に歯止めがかかってきた企業も多い。たとえばソニーは、2018年3月期では20年ぶりに営業利益で過去最高を更新するなど、復活を遂げている。

上位には従業員数の多い大企業も多いが、政府の賃上げ要請に呼応する形で、再び賃上げに転じることができるだろうか。

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