がん予防には「仕組みと原因の理解」が大切だ 「1億総がん時代」に覚えておきたい基礎知識

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がんは「遺伝子の異常」をきっかけに起こる病気だという(写真:runa/PIXTA)  
世の中には、実に多種多様な「健康書」が氾濫している。しかし医者によって言っていることも大きく違い、何を信じたらいいのかわからない。「人生100年」時代、本当に信頼できて、誰でもお金を掛けずに毎日できる簡単な健康習慣とは、いったいどのようなものなのか。
4月26日、東洋経済オンラインのメルマガでもおなじみのムーギー・キム氏の渾身の著作『最強の健康法―世界レベルの名医の本音を全部まとめてみた』(SBクリエイティブ)が、『ベスト・パフォーマンス編』と『病気にならない最先端科学編』の2冊セットで刊行された。本書は日本を代表する50名に上る名医・健康専門家による直接解説を、東大医学部で教鞭をとる中川恵一氏、順天堂大で教鞭をとる堀江重郎氏が二重三重にその正確性をチェックしたうえで制作されている。
東洋経済オンラインでは同書を元に、多くの名医たちが実践しているおカネの掛からない確かな健康法を紹介していく。第6回は、がんの仕組みを解説する。

『がんなんて他人事』と思っていませんか。実は、すべての人の体内に、『がんの元』があるんです

こう話すのは、帝京大学医学部准教授の渡邊清高氏だ。東京大学医学部附属病院、国立がん研究センター勤務などを経て現職につき、特に患者とのコミュニケーションに重きを置いて診療にあたっている。

国立がん研究センターがん対策情報センター(2013年データ)によると、平均寿命が延びた今の日本では、生涯のうち何らかのがんにかかる確率は男性で62%、女性でも46%だという。男性であれば約3人に2人という、かなり高い確率でがんにかかるということになる。

「そのうちかかる病気」という前提で準備を

人口の大部分ががんにかかる「1億総がん時代」に、「がんは他人事」と信じて対策を考えないのは、あまりにも楽観的で、自分の健康に対して無責任ではあるまいか。

だからこそ、がんについては、予防の大切さに加えて「自分もそのうちかかる病気」という前提で、準備しなければならない。その備えがないと、いざ「がんです」と言われたときに、絶望の淵に落ち込んで何も考えられなくなったり、それこそあやしすぎる民間療法に引っかかったりしかねないのだ。

出典:『最強の健康法 病気にならない最先端科学編」
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