日本酒業界初、入札で卸値決める酒造の狙い

黒龍酒造、最高級大吟醸発売で実施

入札会に出品する純米大吟醸原酒「無二」が氷温で貯蔵される黒龍酒造の製品庫=福井県永平寺町

業界で初の入札方式を採用

黒龍酒造(本社福井県永平寺町松岡春日1丁目、水野直人社長)は、複数年にわたり氷温で貯蔵し熟成させた最高級純米大吟醸の原酒を「無二」と命名し、秋から販売を始める。同社商品を取り扱う特約店に販売する際、業界で初という入札方式を採用する。有識者による試飲も行い、年度ごとの出来栄えを価格に適正に反映させる。ビンテージものにふさわしい価格帯を設定し、日本酒の価値向上につなげる。

同社によると、日本酒市場では720ミリリットル瓶で10万円を超える商品も出回っているが、顧客には「なぜ、その金額なのか」との疑問が根強くある。海外でも評価される日本酒の価値をさらに高めるためにも、その問いに応える必要性があったという。

そこで顧客に近い特約店に味を確認してもらい、入札で卸価格を決める手法が適切と判断した。6月14日に特約店の約60人を招き、東京・西麻布のレストランで入札会を開く。2012~2015年の醸造年度ごとに計1500本(720ミリリットル)の無二が出品され、著名なソムリエや料理人ら4人の品質評価委員による各年度の酒質の講評を聞く。続いて特約店の関係者が利き酒をし、入札に移る。

黒龍酒造側は委員の評価に基づき、年度ごとに1本当たりの金額を提示。それに対し特約店は購入希望のケース(6本単位)数を示す。例えば「12年もの」の出品が600本の場合、購入希望の合計が600本以内なら、提示金額での落札が決まる。しかし600本を超えた場合は、より高い金額を提示する2次入札、3次入札へと移っていく。

無二の出荷は9月上旬を予定する。兵庫県東条産の最高品質の酒造好適米・山田錦を使用。アルコール度数は16.5~17.5%。0度以下の氷温で香味の劣化を防いでおり、熟成により香りや味が優しく、深みも楽しめる。年度ごとに味や香りが異なり、個性ある酒に仕上がった。最高級品種「石田屋」などを超える商品として打ち出していく。

経営企画部の担当者は、入札を実施することで「特約店、消費者とも価格に見合った品質の酒として納得してもらいやすく、透明性も増す」と説明。「熟成度によって価値が変動することも評価の対象になる。ワインのように安心して楽しめる、日本酒のビンテージ市場を創造したい」と話している。

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