個性的!ヴィンテージマンションという世界

東京・目黒の泰山館に行ってみた

植栽は100種以上。四季折々に咲く花が目を楽しませてくれる(写真:織田孝一)

こうして泰山館は、1990年に竣工しました。部屋の面積は平均して60平米から70平米。前述したように間取りや広さは少しずつ違います。

オーナーの意識が愛される集合住宅に反映

「入居者は40代から50代の方が多いですね。かつては単身者や夫婦二人世帯がほとんどでしたが、今はお子さんのいらっしゃるご家族も7、8世帯はいます。入居者の方々からは、ここに住んで良かったという声をよく聞きます。長い方では10年以上住まれていますね」(小杉さん)。

小杉さんが今、気遣っているのはメンテナンス。「設備の老朽化に伴い、電気、空調、ガスなどはすべて更新しました。近々、屋根にも手を入れなくてはと思っています」(小杉さん)。こうした設備面の配慮も欠かさないことで、泰山館はこれからも長く、愛される住宅となるでしょう。

世には数多くの集合住宅がありますが、泰山館のように年月を経るにつれ、魅力を増すような物件は数少ないものです。しかしそうした物件が増えないと、本当の意味で成熟した豊かな社会にはなりません。

そのためにはオーナーの姿勢が非常に重要であることが分かります。収益だけでなく、美に対する意識の高いオーナーが増えれば、長く愛される集合住宅も増えるでしょう。それは町全体を魅力的にすることにもつながるはず。泰山館を取材して、そんなことを感じました。

●取材協力
泉 幸甫(泉幸甫建築研究所)
小杉 均(株式会社泰山館 代表取締役)
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