上越新幹線「新潟駅」平面ホーム化の使い勝手 変貌する、首都圏と新潟を結ぶ上越新幹線

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中山トンネルの12‰を上り続ける上越新幹線E4系(撮影:久保田 敦)
鉄道ジャーナル社の協力を得て、『鉄道ジャーナル』2018年7月号「『国境』をまたぐ新幹線」を再構成した記事を掲載します。

Maxときで日本海側へ

上越新幹線は、東京―新潟間を結ぶ系統の「とき」と、越後湯沢以南を運行する系統の「たにがわ」がある。充当車両は、開業当初からの200系に代わって投入されたE2系10両編成と、オール2階建てのE4系8両編成。E4系を運用する列車は、2階建て車両Maxの愛称を冠して、「Maxとき」「Maxたにがわ」と称している。

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E2系は、秋田新幹線、長野新幹線開業時に投入された車両から廃車される時代となったが、現在の車両は東北新幹線八戸開業時に増備された1000代が中心。新青森開業後、速度向上を目指して開発されたE5系が「はやぶさ」として登場し、その増備に伴い捻出されたE2系が、2013年から上越新幹線に投入されたという図式である。長野新幹線用だった車両は北陸新幹線金沢開業を機にE7系・W7系へと置き換えられて、すでにない。

一方、2階建てE4系は、東北新幹線の高速化により同線からは2012年に撤退、以後は上越新幹線の主力車両となっていた。しかし、第一陣の新造から20年を経過し、今後はE7系により置き換えを進めることが発表され、こちらも廃車が発生し始めている。2階建て新幹線と言えば、はるか30年前の国鉄時代に東海道・山陽新幹線の100系でグリーン車や食堂車として誕生、JR発足後には東北新幹線200系グリーン車にも及び、一世を風靡した。さらに新幹線通勤の隆盛化でJR東日本はオール2階建てのE1系、続いてE4系を生むこととなったが、速度の向上につれて巨大な車両は高速化に適さず、引退への道を歩むこととなった。対向列車を見下ろす2階の高い位置からの車窓も、余すところそう長くはなさそうだ。

こうした折ゆえ、新潟への乗車はE4系列車を選んだ。東京発10時16分の列車は「Maxとき315号」と「Maxたにがわ」を併結している。新潟までの列車に、近場の需要に応じる形で越後湯沢までの編成を増結する形だが、春スキー終了までの「Maxたにがわ」はガーラ湯沢行きとなっている。

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