東京で6畳以下「狭小賃貸」に住む人々の生活

「家賃6万円以下=15平米」も当たり前だった

部屋が狭いことをメリットと捉える人がいることは分かりました。では実際に狭小物件を探す際、狙い目のエリアはどこなのでしょうか。改めて並河さん(株式会社城南コミュニティ)に聞いてみました。

「杉並区と中野区、それから板橋区などはコンパクトな物件自体が多いので、いい物件も見つけやすいと思います。特に杉並区はJR中央線と東京メトロ丸ノ内線の間や、西武新宿線の沿線に新しいコンパクト賃貸物件が多く、競争が激しいので、設備仕様や立地条件のわりに家賃が安い物件を探しやすいのではないでしょうか」

賃貸は予算内で70点の部屋を探すのがコツ

中央線や丸ノ内線は「新宿」駅をはじめ複数のターミナル駅に直通アクセスできるので、交通利便もよさそうですね。しかしあえて狭小物件を選ぶ人がいる一方、予算やライフスタイルの都合で部屋の広さを妥協しなければならない人も多くいるはず。そういった人たちへ部屋探しのアドバイスなどはありますか。

「100点満点の部屋を探そうとすると、もっと広い部屋、もっとたくさんの収納など、要求がエスカレートして歯止めが利かなくなりやすいので、70点くらいの部屋を探すことをおすすめしています。特に仕事や趣味などで外に活動基盤をもち、アクティブな生活をしている方々は家に居る時間も短く、部屋の広さはさほど重要ではなかったということも多いですね」

「立地条件や設備仕様が同じであれば、基本的に部屋が狭いほうが家賃は安いので、暮らしやすさを求めていくなかで予算を抑えるには、検討する部屋の面積を狭くするのが一番簡単です。賃貸は住み替えがしやすいことがメリットですが、いざ失敗したとき、家賃が高いより安いほうが、その後の身動きがとりやすいですから」

「あとはメリットより、デメリットをしっかりと把握することも大切です。物件スペックはインターネットで簡単に検索できますが、実際に暮らした方の感想やオーナーさんの人柄など、広告に載っている情報だけでは見えないこともたくさんあります。そのため、私たちは必ず部屋探しをする方から対面で話を聞き、人柄やライフスタイルを把握したうえで、オーナーさんとの橋渡しも含めて物件を紹介することを意識しています」

「住まいは暮らしの重要な要素ですが、すべてではありませんので、日々の生活をトータルで考えた部屋選びが大切です」と語る並河さん(写真撮影/宮崎 林太郎)

インターネットの発達により自由に情報が引き出せる現在、たくさんの人が新しい暮らし方や考え方を知る機会が増えています。その結果、多様化するライフスタイルのなかで、狭小物件に対する認識も変わり始めているようです。家は体を休める場所と割り切り、暮らしやすい立地だけど家賃の安い激狭ワンルームで暮らしながら、趣味や夢にお金をかけることもまた、心豊かに暮らすための、ひとつの答えかもしれません。

●取材協力
・東京6万円以下の専門店【部屋まる。目黒本店】(運営/株式会社城南コミュニティ)

(文:宮崎林太郎(ブリーズ))

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