システム開発現場に必要な働き方改革の基礎 勤務時間に制限を加えるだけでは逆効果

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システムエンジニアのぼへちゃんとだんな君、相変わらず忙しい様子。今日も帰りが遅くなりそうです。

IT業界は、どうしても労働時間が長くなりがち。そのような状況を改善したいという思いは、みんな持っています。そのため、「働き方改革」と銘打って、労働時間の短縮の施策を打ち出す会社が出てきました。

「効率的に働いて、毎日20時までには退社すること」「やむをえず20時以降に残業せざるをえない場合には申請を出すこと」。毎月の残業時間にも制限が設けられています。しかし、制限枠を超えてしまうこともしばしば。その場合には、申請を出すことを義務づけられています。

ところが、最近のシステムづくりの仕事は、業務量が多い割に短納期であることが多いのです。稼働時間を増やさないかぎりは、とても間に合いません。トラブルを抱えているプロジェクトの解決に当たっているスタッフもおり、いつも誰かしら夜遅くまで帰れない状態に陥っています。

そもそもプロジェクトが忙しくなると、数カ月の間ずっと忙しい状態が続くものなのです。こういう場合、申請書の提出をその都度行わなくてはならなくなります。ただでさえ忙しいのに、申請書を書く手間まで増えてしまい、逆に現場の業務時間を圧迫してしまう始末。これでは本末転倒ですよね。

現場では、つねに効率化のための工夫はしているものです。しかし、業務量や納期の短さを改善しないかぎり、長時間労働は解決しそうにありません。

ぼへぼへ 某エンジニア

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Bohebohe

とあるWeb企業で働くインフラエンジニア。販売、営業、OLなどを経て、エンジニアに転向。SIerからエンジニア人生を始めて、現在はWeb系で働く。ベテランかと思いきや、ぼへぼへとしてたら年数経ってただけの中の人。だんな君もエンジニア。

 

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