日経平均株価の先行きを握る「浮き島」の正体 上昇かそれとも下落か、徐々に重要な局面に

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日本株はこのあとどうなるのだろうか。週単位での日経平均株価のローソク足をよく見ると「浮き島」のようになっている。それが一つのポイントだ(写真:SORA / PIXTA)

日本株がじわりと上昇している。前回のコラム「日本株が上昇に転じたと言える『重要な証拠』でも予測した通り、日経平均株価は戻りのメドである2万2300円台に近づいてきた。ただ、先週までで今年初の4週連続高となっているものの、戻りの強さはさほど感じられない。一方、日経平均の週足チャートをみるとわかるが、高値圏では「2つの大きな空間」が開いているのがわかる。いわゆる「マド」が空いているのだが、これは何を示唆しているのか。マドの持つ意味を説明しつつ、需給面から今後の見通しを探ってみた。

「日経平均株価の戻り」は、いくらまで?

マド(英語ではギャップという)とは2本のローソク足の間にあるすき間(ギャップ)を指す。相場が強い場合は寄り付きから前日の高値よりもかなり高く推移し、終値でも前日の高値を上回ればマドかできる(弱い場合はこの逆の現象になる)。マドの大きさは相場の勢いを示し、「マド3日に埋めざればその勢い強し」という相場格言があるくらいだ。つまり3営業日後にマド埋めしなければ、1カ月程度はマドの空いた方向へ株価が走るともいわれている。

諸説あるが、マドの種類は3つあると言われる。
① 「モミあい放れ」のマド
レンジ相場を上下に放れるマド。一空とも呼ばれ、上昇相場や下落相場の初動に現れる。出来高増加が伴えば、信頼性はさらに高まる
② 「トレンドがより強くなる」マド
走り出したトレンドがさらに勢いづくマド。ニ空とも呼ばれ、上昇相場や下落相場の途中で現れる。流れに順張り(トレンドフォロー)して利益を拡大させる場面
③ 「最終局面」のマド
しばらく続いたトレンドが一服する兆し。三空とも呼ばれ、上昇相場や下落相場の最終局面で現れる。相場の反転に備え、いったん利益確定を検討する場面

一方、相反する2つのマドが相場の流れを止めることもある。特に注目すべきは、両側にマドがあるアイランドリバーサル(浮き島)という反転パターンだ。ポッカリ浮いた島の部分が需給面でのしこりとなり、相場の転換点になりやすい。浮き島自体の出現はさほど珍しいことではないが、これが日足チャートではなく週足チャートで出現した場合は要注意だ。中長期スパンでの天底となったり、その後の戻りメド(二番天井)や下値メド(二番底)となりうることが少なくない。

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