ひきこもりの人が続々自立する町の仕掛け

5年で113人のうち、86人が就業

当時社協の事務局長だった菊池会長が2度家に来て、こみっとの情報やヘルパー養成講座のチラシを置いていった。ヘルパー養成講座は、求職者支援事業として、受講生に月々給付金が支給された。「スキルを身に付けてお金がもらえるのなら」と、小玉さんは講座に参加し、ヘルパー2級の資格を取った。

小玉さん同様、戸別訪問により受講を決めたのは50人に上った。

小玉さんは「ひきこもりの人には情報を与え続けることが重要。1度や2度でやめると、見捨てられたと受け取る。情報を携えた訪問を続けることで、相手はちょっと外に出てみようかとなる。仕事をしたいと思っているひきこもりの人は結構多い」と話す。

携わった「キッシュ」が商品化された

こみっとで活動を始めた小玉さんはウエーターや調理、そば打ちなどを担当。12年には特産のマイタケと卵、生クリームを使って焼き上げる「キッシュ」の商品化に関わった。初年度の売り上げは450万円。菊池会長は「これでこみっとを見る町民の目が変わった。ひきこもりが集まる場所から若者が頑張っている場所になった」と話す。

10年以降の5年間で、113人のひきこもりのうち、86人が支援により何らかの仕事に就き自立した。菊池会長は「今はもう(ひきこもりは)10人未満」と笑う。

昨年6月には町民を対象に、ボランティアを含めいろいろな仕事を紹介する登録制度「プラチナバンク」を創設した。希望する収入や仕事時間、経験などに合わせて、社協がマッチングする。300人以上が登録しており、社協が運営するレストランや、高齢者施設の清掃、高齢者宅の除雪作業など幅広い仕事を用意している。

支援を始めて8年。菊池会長は「ひきこもりにはそれぞれ理由があり、決して能力が低いわけではない。彼らを含めたみんなで支え合うまちづくりはきっと可能」と力を込める。

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