ひきこもりの人が続々自立する町の仕掛け

5年で113人のうち、86人が就業

郷土料理を振る舞うレストランでは、ひきこもりだった人が働くこともある=3月、秋田県藤里町(写真:福井新聞)

世界遺産・白神山地の南の麓、秋田県北部にある藤里町は人口3448人(2017年4月現在)、高齢化率は45%を超える。冬は雪に閉ざされる小さな町の社会福祉協議会のひきこもり支援が全国から注目を集めている。

2010年、地域福祉の拠点として「こみっと」を開設した。介護予防の機能訓練室、食事サービスの調理室、カラオケや囲碁将棋を楽しむサークル室、婦人会や老人会など各種団体の共同事務所……。社協の菊池まゆみ会長(62)は「ひきこもりとか高齢者とか特定せず、福祉サービスが必要な人に集まってもらう場所にしたかった」。いろいろな人が集うことで、ひきこもりに対する偏見を和らげる狙いもあった。

開設準備と並行し、1年半かけて、職員らと町内を戸別訪問し「こみっと」を周知した。すると予想もしない現実が見えてきた。18~55歳で、不就労期間が長く、家族以外との交流や外出がほとんどないひきこもりが113人いた。町内の同年齢人口の実に8.7%に上り、半数が40歳以上だった。

約12年間ひきこもりがちだった小玉さん

4年半、東京で働いた後に秋田県に戻り、祖母の介護などで約12年間ひきこもりがちだった小玉栄さん(48)は現在、社協のパート職員として全国から来る視察研修などに対応している。「高望みして仕事が見つからなかった。ちょっとつまずいてずっと(12年間)きてしまったって感じ。心の病という問題でもなかった」と振り返る。

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