食後のデザートが別腹に感じる本当のワケ

ほかの動物では起こらない食欲を生み出す

満腹でもお腹におさまってしまうのはなぜでしょうか(写真:tomos / PIXTA)

皮下脂肪より危ない内臓脂肪。そのまま放置すると高血圧や糖尿病など生活習慣病はもちろん、各種のがんや認知症の原因になることもわかってきました。奥田昌子さんの最新刊『内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法』は、肉や炭水化物の正しい摂り方、脂肪に効く食材、効果抜群の有酸素運動などを最新の論文をもとに解説していて、続々重版となる大反響です。

今回はその中から、食欲と大脳の意外な関係についてご紹介します。

「別腹」は脳のいたずら

サバンナで暮らすライオンは、空腹でなければ狩りをすることはありません。満腹中枢から「やめ!」の指令が来ると、満足そうに横になってしまいます。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

ところが人間は違います。おいしいものなら食がどんどん進みますし、好きなものを出されれば、満腹であってもおなかにおさまります。これがいわゆる別腹で、食後にケーキを平らげる女性だけでなく、誰のおなかにも備わっています。

フレンチであれ和食であれ、コースが進んで「このあとデザートをお持ちします」の声がかかると、脳でオレキシンという物質が分泌されます。この物質の仕事は胃の動きを活発にして、胃の中の食べものを腸に送り出すことです。これにより胃にスペースができると、まだ余裕がありますよという情報が脳に伝えられ、摂食中枢からゴーサインが出るのです。

オレキシンには別の仕事もあります。眠っていてもおなかがすくと自然に目が覚めて、食べものを探して台所をうろついてしまうことがありますね。この目覚まし時計はオレキシンによるもので、眠ったまま飢え死にしないようにするためのしくみです。

人間が摂食中枢と満腹中枢をだましてまで食べてしまうのは、大脳が大きく発達しているからです。色あざやかなトマトのパスタ、鰻屋さんの窓から流れる香ばしいにおい、お肉がジュージュー焼ける音など五感への刺激や、食べて満足した過去の記憶など、大脳のあちこちから届く情報が摂食中枢を強力にゆさぶります。食べることで豊かな気持ちになれるのも大脳のおかげです。

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