30代共働き夫婦が悩む2人目の子ども問題 1人目は勢いでも「次」は「複雑な事情」が絡む

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夫婦仲がよかったのに「2人目の子ども」の話をすると難しくなることが。複雑な事情が絡んでいることが多い(写真:Greyscale / PIXTA)

今回、私たちファイナンシャル・プランナーの事務所に「おカネの相談」に来たのは、35歳のA子さんです。医療系の業界で働いており、40代でメーカーの管理職をしている夫と、私立小学校低学年の娘さんと3人暮らし。共働きで、年収は2000万円近くにもなります。

年収2000万円でも2人目の子どもを作ると破綻する!?

にもかかわらず、A子さんからの相談内容を聞いて、かなり驚きました。というのも「主人は2人目の子どもをすごく欲しがっているのですが、私は全然気が進まなくて……」と言うのです。しかも、「なんとか諦めてもらいたいので、もし2人目ができたら家計が破綻することが証明できる資料をつくってほしい」というものだったからです。

共働きだし、娘さんはまだ小学生。もし2人目ができて、たとえば「将来は2人の高等教育は私立学校」となっても「家計が破綻する」のはさすがに大袈裟のはず。それなのにA子さんはなぜ今回のような依頼をしてきたのでしょうか。さっそく詳しく聞いてみることにしました。

するといろいろなことがわかってきました。A子さんはご主人とお見合いで知り合って結婚。今の娘さんは、結婚後、すぐに授かったそうです。すくすくと育ち、今は私立の名門小学校に通っています。

お聞きすると、A子さんには「学歴コンプレックスがある」というのです。それもあって「とにかく自分の子どもにはいい教育を受けさせたい」と、幼少の頃から家庭教師をつけ、お受験に励んできました。娘さんが名門小学校に入学した後も、ベビーシッターを活用しながらピアノやお習字、そろばんなど、いろいろなお稽古ごとに通わせています。

夫婦仲もよく、ちょっと前までは幸せな家庭生活を送ってきたとのことでした。ところがここへきて、夫婦仲がギクシャクしているというのです。

次ページなぜA子さんは2人目の子どもを「拒否」するのか
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