配信ドラマ「彼ロン」が全話見られ続けたワケ 野島伸司脚本のブラックな「ラブコメ」が人気

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大企業の受付嬢を演じる3人の会話劇も必見。左から小野ゆり子、真野恵里菜、久松郁実(写真:エイベックス通信放送/フジテレビジョン)
Netflix、Amazonプライム、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。

今回はエイベックス通信放送が運営する「dTV」とフジテレビの動画配信サービス「FOD」で配信されている、両プラットフォームの共同製作ドラマ『彼氏をローンで買いました』を紹介します。3月9日から配信開始され、現在、全8話(1話あたり約20分)が公開されています。全話視聴実績が高く、離脱が少ないめずらしい番組だそうです。

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というのも、ネット配信ドラマの場合、話数ごとの再生回数が配信開始から最終回に向かって増えていくことはありません。地上波と違って、話数の途中から見始める傾向はないということです。だから、右肩下がりになるグラフが一般的。面白ければ、全話視聴が達成され、そうでなければ、途中で離脱が起こります。そんななか、「『彼ロン』は右肩下がりになることなく、配信開始から週2回のペースで新しいエピソードを更新しながら、全話公開まで安定感がありました」と、『彼ロン』のプロデューサーである、dTVの上田徳浩氏が説明してくれました。

『彼ロン』が支持される理由

なぜ、この番組が支持されているのでしょうか。理由はいくつかあります。実は『彼ロン』も記事(ネットで「野島伸司ドラマ」が支持されるワケ)で紹介した『雨が降ると君は優しい』(Hulu)と同じく野島伸司脚本です。dTV×FOD共同製作ドラマとしては、野島作品はこれが2本目。主演に渡部篤郎、飯豊まりえを起用した『パパ活』(2017年6月配信)が第1弾でした。両作品を企画・プロデュースしたフジテレビの清水一幸氏に制作の背景を聞くと、こんなことがわかりました。

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