子どもが不登校になった親たちが語る「本質」

親同士でないとわからない実態もある

「やよい会」の例会で経験を基に不登校の子への寄り添い方を学び合う母親ら=3月3日、福井県福井市のフェニックス・プラザ(写真:福井新聞)

「普通の子の人生になるには40歳、50歳ぐらいまではかかると思っている。ちゃんと働いて、お嫁さんももらえるようになるには、どうしたら……」。

福井県内の不登校の子を持つ親の会「やよい会」の3月例会。初参加の夫婦が高校1年の長男と向き合う思いを打ち明けた。

進行役で代表世話人の中嶋良三さん(78)=福井市=が、穏やかな表情で応じる。「親が手厚く付き合えば、その子なりの未来が開けてきますよ」

親同士でないと実態がわからないことに気付いた

やよい会の発足は1984年3月。不登校に対し、社会の理解はまだ著しく乏しかった。精神科医の診察でも原因は分からず、カウンセラーもほとんどいなかった。中嶋さんの息子は中学2年で不登校になった。「専門家の指導も間違っていて、逆に子どもを傷つけてしまった。親同士でないと実態が分からないことに気付いた」

親7人で始まった会で「あらゆる知恵を集めた」。互いの試行錯誤を披露しながら、道を探っていくしかなかった。30年以上の歩みを重ね、会員約150人が集う受け皿になった。毎月の例会には10~20人ずつが参加。「風呂に入ってくれない」「料理を食べてくれない」「家庭内暴力で手が付けられない」。それぞれの悩みや体験を共有し、子への寄り添い方を学び合う。

当初は中学生のみだった子の年齢層は、40代まで広がった。15年ほど前からは例会と別に、18歳以上の子を持つ親対象の会を隔月で開く。成人以降のひきこもりは、自尊心が強い分だけ長引く傾向がある。ある会員は「縄つっといてくれ。死ぬから」とまで言われた。親への言動がきつくなり、悩みはより深刻なケースが多い。

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