室内に「土間がある」マンションが人気のワケ
使い方自由自在な「古くて新しい空間」

古くて新しい空間、それが土間 活用法は広がっている
昔の日本の家にあった土間はどんなイメージでしょうか。土のついた野菜があったり、飲料水をためてあったり、炊事場だったり……。まあ、何か作業をする場所で、床はコンクリートやタイル、漆喰を塗り固めた素材でできていました。その性格上、防水性に優れている必要があったわけですね。
そうした土間は、いまでは狭い玄関に集約されるようになったと考えられます。そしていま、趣味と実益を兼ねた空間として、あえて設置されるケースが増えているというわけです。
では、実際にはどのように活用されているのでしょうか。「玄関の延長でいえば土間収納も人気です。また水まわりを土間にすることで掃除やお手入れが楽ですし、インナーテラスのように土間をつくれば癒やしの空間にもなります。さらに、コンクリートやタイル敷きにしないでも、あえて段差を付けることで土間風なメリハリをつける空間づくりもありますね」(山田さん、以下同)
土間は家の中なのに土足OKの空間。役割としては、家の外でも中でもない中間領域です。「住まいの中に、あえてきちんとしていない空間があることが貴重なのかもしれませんね。そのことで暮らしの中にゆとりが生まれる。それが土間が支持されるひとつの理由だと思います」

今回見てきたリノベーションマンションだけでなく、最近は賃貸のワンルームでも土間のあるマンションが少しずつ増えているようです。限られた広さの中でもメリハリがきいた空間の演出が人気の理由でしょう。土間ブームはこの先も根強く続きそうですね。
・株式会社リビタ
(文:KAZU (ブリーズ))