新社会人が知っておきたい、月収の「使い方」

家賃はやっぱり月収の3割?

――セキュリティや通勤の利便性を考慮すると家賃は高くなりがちです。食費や光熱費を節約して住居費の予算を増やすより、住居費を抑えることを優先すべきでしょうか?

藤川さん:生活費を削れればいいですが、削れなかった場合、先に述べたように貯蓄がなくなります。物を持たないとか、食事を食パン1枚で済ませるとか、飲みにも外食にも行かないという人も世の中にはいますが、それで体を壊しては元も子もないじゃないですか。

私も若いころお金を貯めようと思って、月の食費を1万円に抑えた経験があります、1食100円程度しか使えないので、ほぼ毎日ペペロンチーノでしたね。給料の約半分を貯金できたのでお金は貯まりましたが、さすがに苦しかったですよ。今は安くて美味しい冷凍食品も多くて、あのころより食費の節約はしやすいものの、家賃のために生活を無理やり切り詰めるというのはおすすめできないですね。

――やはり貯金は必要ですか?

藤川さん:貯金は心に余裕を生むための、一種の防波堤なんです。例えば会社で嫌なことがあっても、貯金があれば、いざとなれば辞めてしまっても暫く食べていけると思えるかもしれないですよね。しかしお金がないなら稼ぐしかないので、お酒に逃げたり、無理を押して仕事を続けたりせざるを得なくなります。そうなるとだんだんプレッシャーに押し潰されていき、心身を病んでしまうというケースは少なくありません。

若い人たちがこれからリスクを取って、さまざまなチャレンジをしていくうえで、貯蓄というのは原資になるわけです。今の稼ぎというのはずっと保障されているものではなく、病気になったり、職を失えば収入がなくなるかもしれない。そんな不透明な将来に対する不安を払拭しようと思うならば、何かあってもチャレンジできるようにお金を貯めておくことは考えなければいけないと思いますね。

質素な暮らしも後の糧になる?

――貯金を考えるうえで、生活費ではなく住居費を抑えることをすすめられているように思うのですが、家計の見直しをされるなかでも、住居費というのは削りやすい項目なのでしょうか?

藤川さん:そうではなく、単純に住居費が一番大きい支出額となるからです。住居費というのは家計の中の固定費になるので、最初に高い家賃で契約してしまうと、その後ずっと高額な家賃の支払いが続いてしまうんです。住居費を下げるには家賃の安い家に住み替えるしかありませんが、お金がなければ引越しもできませんよね。

あと気を付けなければいけないのは、特に新社会人の方が住居を選ぶときに、最初に素敵な部屋を選んでしまうと、その部屋よりも質素な家に住むということに抵抗が出てきてしまうんです。なので一度でいいから、せめて最初くらいは質素なところに住むという経験をしておいたほうが良いと思いますね。

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