カルビー、「カリスマ経営者」突如退任の理由 偉大すぎた松本会長は、なぜ辞めるのか

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外部から招聘された松本晃・会長兼CEO。在任中に成し遂げたことは収益の改善に、株式の上場、フルグラのヒットなど、数多くある(撮影:2017年11月、尾形文繁)

3月中旬の週末、栃木県内で開かれた、カルビーの社内イベント終了後のこと。松本晃・会長兼CEOは一緒に食事をしていた伊藤秀二社長に、唐突に切り出した。

「僕はもう今期で降りるわ、いい潮時だよ。僕が辞めた後も伊藤さん、カルビーをよろしくお願いします」

だいぶ前から「腹を決めていた」

3月27日、カルビーは松本氏の退任を発表した。理由は「本人から退任の申し出があったため」という。後任を含めた新たな経営体制は4月中に決定する計画だが、伊藤秀二社長が続投する可能性が高い。

松本氏は、医療機器メーカーのジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人の社長を経て2009年にカルビーの会長兼CEOに就任。高コスト体質にあえいでいた同社を立て直し、2009年度から2016年度まで8年連続の増収増益を達成した、いわばカリスマ経営者。そのため、松本氏の退任が公表されると、株価は3780円から一気に7%近くも下げた。

唐突すぎる退任劇だが、当の松本氏はあっけらかんとしている。「辞めることはずっと考えていたし、権力は10年持つと腐敗する。9年間は長くやり過ぎた」「(ほかの取締役の)みなさんは慰留してくれたけど、だいぶ前から腹を決めていたことだったから」(松本氏)という。

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