貧困でいじめられた59歳女性の消えない記憶

シングルマザーの母親からの壮絶な暴力も

いじめられた過去を振り返り「周りの大人が助けてあげて」と訴える女性=2月、福井県坂井市(写真:福井新聞)

「家は貧しく同級生からはいじめられ、先生にも冷たくされた」。50年前にいじめにあった福井県坂井市の女性(59)が、福井新聞の取材に対し、当時のつらい日々を赤裸々に語った。シングルマザーの母親から壮絶な暴力を受け、顔をはらして学校に行く毎日。現在の夫や子どもにも話さない過去を語る決心をしたのは「私と同じような経験をしている子どもたちを助けてあげてほしい」との思いから。裕福に見える社会の中で、貧困の子どもが増加している状況を憂い、重い口を開いた。

給食食べるな

女性は現在、坂井市に住む貴子さん=仮名。父親が事業に失敗し居場所を転々としたため、幼いころから母と弟の3人で住んでいた。「多分生活保護を受けていた。入学式のランドセルは古びていた」。自分だけ集金袋は配られなかった。同級生の男の子に「給食費を払ってないのに何で食べるんや」と冷やかされた。

生活に余裕はなく、母親からは暴力を振るわれ、毎日鼻血を流した。顔をはらして学校に行くと、同級生は「どうしたの? その顔」とけげんな顔をした。クラス全員が自分を避けるようになった。

貴子さんは「誰でも自分と違う者は、排除しようとする。仲間外れは仕方ないと思う。集団生活でいじめはなくならない。だからこそ周りの大人が支えてあげるべき」と訴える。

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