幼い子に英語を習わせる親がしがちな勘違い 自然と英語を身に付けさせるには?

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乳幼児期の英語教育には、どのようなものがふさわしいのだろうか(写真:マハロ / PIXTA)

「息子にいい英語との出会いをさせたい」と考えるMさんには、いま2歳の男の子がいます。ご自身は英語が好きで、独身時代には海外旅行にもよく行っていたMさんは、ママ友からの情報も頼りに、いろいろな英語教室を巡っているところ。

「なかなかピンとくるところがなくて。単語を学んだり、歌を歌ったりするだけの教室は長続きしないんじゃないかと思って。できれば長く続けてほしいので、私が納得できる教室を探しているんです」と話します。けれどもご主人には「こんな早くから英語なんて習わなくてもいいよ」と言われ、少々気後れしている様子でした。

わが子をバイリンガルに育てたい親

インターネット上では、赤ちゃんの英語教育ためのオモチャや絵本、DVDがあふれています。「生後すぐから遊べる」「英語脳を作る」「日本語にない発音も学べます」「英語保育」などと、その宣伝文句はさまざまです。

確かに子どもに英語を身に付けてほしいと願う親御さんは多く、「わが子をバイリンガルに」と、乳幼児期(1~5歳)から英語教室を探したり、通わせたりしている方も少なくありません。

「子どもができたらバイリンガルにしようと思って、お腹の中にいるときから英語のCDを聞かせていました。今はベビーベッドの横のタブレットで、英語のDVDを流しています。近頃はYouTubeもあるので、英語の番組を探すのには便利ですね」。東京近郊のある市で、歩きはじめたばかりの赤ちゃんを抱いた育休中の新米ママはそう話していました。

実際のところ乳幼児期の英語教育には、どのようなものがふさわしいのでしょうか。

こんな実験の結果があります。生後3カ月の赤ちゃんに母親の録画映像が映った画面を通して話しかけるのと、実際にライブ映像で母親が話しかけるのと、違いがあるかどうかを調べたものです。結果は、まだ言葉を発しない生後3カ月の赤ちゃんであってもライブで話しかけたほうが母親への注視や、笑顔が見られたというものでした。

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