大迫傑と設楽悠太「東京五輪」にかかる期待

男子マラソン「出るだけでは意味がない」

2度目のマラソンにして、2時間7分台の好記録。大迫の強さはどこから来るのか。彼を高校時代に指導していた両角速(もろずみ・はやし)氏(現・東海大監督)は、

「大迫は、自分が強くなる、速くなるためなら、どこにでも行く男です」

と語る。

大迫は東京出身だが、高校は長野・佐久長聖に進み、ここでステップアップ。高校卒業後の進路についてもドラスティックな考えを持っていた。

「自分が強くなれるんだったら、大学でも、実業団でも構いませんでした。正直、箱根駅伝には魅力を感じていませんでしたから」

と考えていたが、渡辺康幸氏が監督を務めていた早稲田大学に進学した。

当時、早稲田はナイキと関係性を持っていたことが大迫の競技人生に影響を与え、大学4年生の時にはナイキの本拠地であるオレゴンで練習を行い、大きな刺激を受けた。

いったんは日清食品グループで走っていたが、より自分が飛躍する機会を狙ってナイキ・オレゴン・プロジェクトに本拠地を移した。

この決断力の早さ、フットワークの良さが大迫の実力をグングンと伸ばしている。

福岡で大迫がハイレベルのタイムをマークしたことで、「大迫基準」が今後、代表争いのスタンダードになっていきそうだ。

日本陸連でマラソンの強化プロジェクトのリーダーを務める瀬古利彦氏は、福岡国際マラソンの後、大迫の走りに満足気な表情を浮かべ、囲み取材でこう話した。

「正直いうと、東京オリンピックでは大迫と設楽悠太(したら・ゆうた/Honda)に走ってもらわないと、困るんです。トラックでのスピードをそのままマラソンに持って来られる選手じゃないと、メダルとか狙えませんから」

東京マラソンの鍵を握る設楽悠太

設楽悠太は2017年にブレイクスルーした選手だ。

9月16日に行われたウスティ・ハーフマラソン(チェコ)で1時間00分17秒の日本記録をマークすると、翌週の9月24日に行われたベルリン・マラソンで2時間09分03秒の好タイムでゴール。

1月21日に広島で行われた全国男子駅伝では埼玉のアンカーを務め、見事に逆転優勝。ナイキの厚底シューズ、「ヴェイパー・フライ・4パーセント」を履き、軽快なピッチが強烈な印象を残した。

その設楽が次のターゲットとするのが、2月25日に行われる東京マラソン。会見では、

「みなさんが楽しみにしているのは、日本記録の更新だと思います」

と話し、2002年に高岡寿成がマークした2時間06分16秒をターゲットとしていることを明らかにした。

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