大迫傑と設楽悠太「東京五輪」にかかる期待
男子マラソン「出るだけでは意味がない」

東京オリンピックの開会式は、2020年の7月24日。
あと2年半。まだまだ時間がありそうにも思うが、地元開催のオリンピックを目指す選手にとってはカウントダウンが始まっている。
当然、焦り出した選手もいて、ライバルのドリンクボトルに禁止薬物を混入させたカヌー・スプリントの選手などは、自分のポジションが絶望的と思い込み、不届きな事件に及んでしまったと考えられる。
東京オリンピックの発する光は強い。しかし、その分、影も濃くなる。
大迫がマークした好タイムが今後の基準になる
しかし、ほとんどの競技で強化は正しい方向に進んでいるように見える。
特に、陸上競技の男子マラソンは久しぶりに活況を呈している。選手、指導者が躍起になってオリンピック出場、いや、メダル獲得を狙っている。
「出るだけじゃ意味ないですよ」
という声を複数の陣営から聞いた。アフリカ勢が強いのは分かっているが、酷暑のマラソンに活路を見出そうとしている。
中でも、期待が高まっているのが大迫傑(おおさこ・すぐる/ナイキ・オレゴン・プロジェクト)だ。
早大時代は、1年生の時から箱根駅伝の中心選手として活躍し、2013年、2015年の世界陸上、そして2016年のリオデジャネイロ・オリンピックではトラックで日本代表になった。
その大迫が2017年から本格的にフルマラソンに参戦し、初マラソンとなった「心臓破りの坂」で有名なボストンで2時間10分28秒をマークし、3位表彰台。
そして、12月3日に行われた福岡国際マラソンでは、2時間07分19秒の好記録をマークし、東京オリンピックの代表選考レースで2019年に行われる「マラソン・グランド・チャンピオンシップ・レース」(MGCレース)の出場権を手にした。