両極端の健康情報に迷い惑う人間の哀しい性

うつ病に薬は効くのか効かないのか

私たちは医療・健康情報に右往左往する(写真:kmc / PIXTA)
ネットに、テレビに、新聞に……日々溢れる医療・健康情報。健康への過剰な不安から、それらの情報に右往左往するこの暮らしぶりを、私たちはこのまま続けていくのか? 衝撃の話題作『健康という病』(五木寛之著)から、大反響の箇所を抜粋してお届けします。

健康問題関連記事の花ざかり

このところ、というか、この数十年来、健康問題関連記事の花ざかりである。新聞、週刊誌をはじめ、テレビ番組でもそうだ。カラスの鳴かぬ日はあっても、マスコミに健康問題がとりあげられぬ日はないのではないか。

「幻冬舎plus」(運営:株式会社 幻冬舎)の提供記事です

それらの記事や番組は、それなりに充実していて、そこがおそろしい。医学界の専門家のコメントもちゃんと添えられているし、文章や構成も巧みである。テレビの場合は、映像が迫力があって、がんの患部のクローズアップなど見ていてギャッと叫びたくなるくらいだ。

仕事部屋に散乱している週刊誌をアトランダムにめくってみる。

〈大反響第2弾・絶対に受けてはいけない がん「免疫療法」と「民間療法」実例報告〉

大反響第2弾とあるからには、最初の記事に相当な読者の反応があったのだろう。

〈あなたが飲んでるその薬、「海外ではもう使われていません」でした〉

この記事には具体的に有名な薬品の実名があげられている。糖尿病薬、鎮痛剤、抗生物質など、おなじみの薬がぞろぞろ出てきて、読んでいてゾッとする読者も多いのではあるまいか。

〈「漢方」の大嘘 死者まで出ている「副作用」事典〉

これも大反響を呼んだらしく、第2弾の特集が予告されている。

一方、新聞も健康記事の大ブームだ。以前は「こうすれば痩せられる」とか、「健康になる食品レシピ」などという役立ち記事が多かったが、最近はそうではない。「絶対受けてはいけない○○手術」だの「この病院が危い!」「専門医が隠す術後死」といった刺激的見出しが並んでいる。

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