叱責の翌日に生徒が自殺…教師たちのその後

「指導死」はどうすれば防げるか

「駄目なことは駄目と伝えるべきだが、子どもは失敗しながら成長する。やり直す機会を与えることが大切。指導で無用な不安を与えてはならない」。その行動に至った経緯や抱えている悩みを、生徒が教師に話せる場になればと改定に期待を込めた。

青木教諭は当初、指導方法を変えることが本当に必要か半信半疑だった。ただ、裕美さんの訴えに耳を傾けるうち、考えは変わっていった。健司さんが亡くなってから4年。「僕の中で日々健司君の存在が大きくなっていくのを感じます」と裕美さんに語った。

生徒の内面をより大切にするようになった

生徒一人一人の内面をより大切にするようになり、「しっかり反省しなさい。でも今まで頑張ってきたことは大事にするんやで」と必ず声を掛けた。今までの成長があってのこれから。指導で全てを崩す必要は何もないと考えた。

その後に移った定時制高校。ある生徒が深夜、「もう生きるのしんどい」とメールを送ってきた。父親は蒸発、母親は心の病を抱え、友達関係もうまくいっていなかった。すぐに車を1時間飛ばして家に向かい、無事でいるのを見たとき、涙があふれた。「良かったなあ」。生徒も泣いていた。健司さんのことがなければ、危機感は薄かったかもしれないという。

「100人に1人、その指導がしんどいと思う生徒がいるかもしれない。99人まではよくて100人目は駄目という可能性。ふっとその違いに気付くかどうか」と小南教諭は話す。問題行動には理由や背景が必ずあり、それが何かを理解できなければ教師の言葉は生徒の心に届かない―。「生徒がつらいとき、教師の顔が浮かぶ関係をつくれたら、問題が起こる前に解決できる」と信じている。

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