「40代以上の大人」が集うシェアハウスの実際

ターゲットは所ジョージ世代?!

住む人の個性を活かす部屋づくりにひき付けられ、音楽家やイラストレーターなどの個性的な住人が集まっています。時には演奏家同士がセッションを行い、即興の演奏会が開かれることもあるそう。まるでドラマのような場面が日常的に展開されているようです。

優しい“ばあば”の存在が安心感に

もうひとつ豊田さんも想定外だったのが、子どもを持つ人が多く住んでいること。ファミリータイプの部屋がないのにもかかわらず、ママとお子さんの母子家族の入居希望者が多く、今は数組が暮らしているとのことです。

「私の子どもたちは未婚ですが、一足早く“ばぁば(おばあちゃん)”になった気分を味わっています。私がこのラウンジに居ると、保育園から帰った子どもがママとひと休み。おやつを食べながら今日の出来事をお話ししてくれるんです。ある日の夕方、ラウンジを閉めようとしていると外で泣き声が聞こえました。ドアの外で入居しているお子さんが泣いているんですよ。ママのお迎えが少し遅くなって、私がラウンジに居る時間に間に合わなかったのが、悲しかったみたい。それからは、帰ってくる子どもたちを迎えるまで、心配でラウンジを閉められなくなってしまいました(笑)」(豊田さん)

シングルマザーでなくても、子育て中は何かと孤独に頑張ってしまいがちです。子育て経験豊富な優しい大家さんが日々子どもたちと接してくれれば、親も子も安心感をもてるでしょう。

【画像9】共有ラウンジ。平日夕方5時まで、用事がなければ大家さんが居ることにしているそう。また住人は毎日夜の10時まで自由に利用することができる(写真撮影/蜂谷智子)
【画像10】絵本が並ぶ廊下のデスクコーナー。子どもたちはここから読みたい本を選び、借りていく(写真撮影/蜂谷智子)

若者世代にとってシェアする暮らしの一番のメリットは、家賃が安く済むこと。一方で成熟した大人世代がシェアハウスを選ぶのは、家賃の安さよりも、自身がもっているスキルや人脈を分け与える存在、あるいは抱え込んでいる人生の重みを少しだけ支えてくれる存在を、求めているからなのかもしれません。そういったニーズに着目し、個性的なシェアハウスを運営する大家さんは今後も増えていきそうです。

●取材協力
・しぇあひるず ヨコハマ
・MDL Apartment

(文:蜂谷智子)

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