入社3年目が仕掛けた「暗闇バイク」の舞台裏 社員満足度経営が最強の戦略だ

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新規事業を次々と成功させる風土はどのようになっているのでしょうか(写真:joykid / PIXTA)
株式会社ベンチャーバンクという会社をご存じだろうか。
照明を落とした、ムードのあるスタジオの中で、最先端のダンスミュージックに合わせてインドアバイクを漕ぐ新感覚のフィットネス「FEELCYCLE」や、日本全国で330店舗以上を展開するホットヨガスタジオ「LAVA」、次世代型マンガ喫茶「Hailey'5 Cafe(ハイリーファイブカフェ)」など、業界に新風を吹き込む新規事業を次々と成功させており、グループ総売上は2017年3月期で369億円、2018年3月期の予想は487億円と右肩上がりに業績を伸ばしている。
なぜこの時代に、新規事業を次々に成功させ続けることができるのか? その経営理念をまとめた書籍『突然ですが、社員をもっと大切にしてみてください 持続可能な経営戦略』を刊行したばかりのベンチャーバンクの創業者・代表取締役会長の鷲見貴彦氏に話を聞いた。(聞き手:プレタポルテ編集部)

「暗闇バイクエクササイズ」の革命は入社3年目の青年

弊社で今、最も勢いのある「FEELCYCLE」事業を立ち上げたのは、今から5年前の2012年のこと。責任者の橋本英治は、当時まだ30代、入社3年目の青年でした。

当記事は夜間飛行が運営する「プレタポルテ」の提供記事です。元記事はこちら

「FEELCYCLE」は、立ち上げ直後こそ少し伸び悩みましたが、すぐに成長軌道に乗り、2016年10月には、株式会社FEEL CONNECTIONとしてベンチャーバンクから分社、独立しました。

この結果、事業を立ち上げた橋本は入社から6年あまりで、社長に就任することとなったのです。

入社3年目の青年が、事業を立ち上げ、その後、数年で、社長になる……。

実はこのことこそが、私たちベンチャーバンクという会社が目指す、ひとつの「理想形」でした。

というのも、ベンチャーバンクという会社は、社員の一人ひとりが発案した、新規事業という「卵」を大切にかえし、一人前になるまで育て上げることをミッションに据えた「インキュベーションカンパニー」だからです。

2012年の立ち上げから5年で、日本全国で20店舗(2017年11月現在)以上展開することになった、暗闇インドアバイクエクササイズ「FEELCYCLE」(写真:ベンチャーバンク)

ベンチャーバンクは、今述べた暗闇バイクエクササイズ事業を展開する株式会社FEEL CONNECTIONを含む5つの会社からなるグループ企業です。社員数は4913名。業績は、2017年3月期が売上369億円、利益83億円(税引前当期純利益。以下同)、2018年3月期の予想は売上487億円、利益97億円と、この数年はずっと、右肩上がりの成長を続けています。

しかし、ほんの10年前の弊社はさまざまな問題を抱え、2009年には全役員を解任するという苦しい決断に迫られるほどでした。「FEELCYCLE」は、その苦境から再スタートを切った私たちにとって、自分たちの理念を体現する、象徴的な事業だったのです。

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