渋谷の闇が招いた18歳少女の乳児殺人容疑

「子どもが子どもを育てる」異常の中で起きた

検察側は、女児の首にあった圧迫痕から、被告が首を絞めて死なせたと訴えた。皮膚科医や法医学者ら4人が法廷で写真や図を使って説明した。

裁判官:「首を絞めたという根拠は」

検察側証人の皮膚科医「表面の皮膚が傷ついていない。圧迫された幅が面で構成されている」

裁判官:「服の襟が首に当たり続けたとしたら」

皮膚科医:「ありえない。衣服がきつめでも、赤ちゃんは動くので起きえない」

死亡時には体重が約30グラムも減少

一方の弁護側は、被告は10月29日以後、ミルクをあげるなどの世話を一切せず、女児は衰弱していたと主張した。女児は亡くなる1間前の健診時に比べ、死亡時には体重が約30グラムも減少していた。

弁護側証人の法医学者の尋問。

裁判官:「写真を見ると、赤くなっていて、それなりに傷があるように思うが、救急搬送時に着衣ですれたとも考えられるか」

法医学者:「脱がし方によってはあるのでは。皮膚がふやけていればありうる」

論告で検察側は、死亡推定時刻に部屋にいたのは被告だけだったことなどを理由に、被告が首を絞めたとあらためて主張。「女児を虐待、放置したなかで行われた犯行で、被告は反省に乏しい」と懲役7年を求刑した。

弁護側は、被告と同居女性が10月に虐待した反省から、もう世話をしないと決めて死亡当日までミルクを一切与えなかったと主張。衰弱死の可能性があり、被告は無罪だと訴えた。

被告は最後に、用意したノートを読み上げた。

「当時の私たちは、放置も暴行も、私たちに乳児を預けっぱなしにした母親が悪いと思っていて、罪に向き合えていませんでした」「今振り返ると、社会の裏に近づきすぎたと思います。疑われることがないよう、同じことを繰り返さないことが女児への贖罪(しょくざい)だと思います」

女児の母親は出廷しなかった。

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