若者たちが再生「二宮団地」を知っていますか

過疎の団地が"海を臨む別宅"に

団地内の商店街にあるコミュナルダイニング。公社が企画するイベントにも使われるが、一般の人もキッチン付レンタルスペースとして使える(要予約、1時間300円~)。月に一度開催される「お食事会議」では、暮らし体験ライター以外にも、団地の人々や地域の若い移住者が集う。内装の設計・施工は主にチョウハシさん(写真:蜂谷智子)

団地再生のキーワードは、セルフリノベと多拠点居住

「神奈川県住宅供給公社は、ふたつの視点から二宮団地の暮らし体験ライターを人選しました。ひとつめは、セルフリノベーションのスキルがある人材。ふたつめには、団地の他にも拠点を持ち、都市部と二宮団地を行き来しながら暮らす人材です。リノベーションと多拠点居住は、今後二宮団地を再生していくカギとなる要素だと考えています。ですからライターが率先して成功事例をつくってくれることに期待しました」(鈴木伸一朗さん)

二宮団地は今年2017年から、築50年の老朽化した建物をリノベーションして賃貸する試みを始めており、徐々に住人が増え始めている。団地で想起される、畳敷きの部屋やバランス釜の風呂といった古い設備を一新し、無垢材を使った清潔感のあるさとやま風の内装や3点給湯など現代の設備仕様にすることで、若い借り手が増えたという。そこから一歩進めて、オリジナルの内装で団地をカスタマイズするモデルケースをつくることで、より個性的な暮らし方を発信する考えだ。

また、“さとやまライフ”を打ち出していることからも伝わるように、二宮団地は自然に恵まれている。しかも東海道本線や湘南新宿ラインを使えば横浜まで39分、品川まで58分、新宿まで72分と、都心の近くに位置している。JR二宮駅からバスで10分前後と通勤にはやや不便な立地だが、高台に位置する団地は見晴らしがよく、気軽に訪れて別荘のようにリフレッシュしたり、在宅ワーカーが集中して仕事をするための拠点にしたりといった用途には最適と考え、定住以外の居住スタイルも模索する。

昨年から入居者募集を開始しているリノベーションルームでは県内産の杉を多用したタイプが人気。今年5月には入居者がセルフリノベーションするプランも打ち出した(写真:蜂谷智子)
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