1000℃に耐える、防災木造シェルターの実力

木造住宅の1階に設置できる

アサノ不燃が開発した木造防災シェルター=福井県坂井市丸岡町の同社福井支社

福井県坂井市に工場、支社がある不燃木材製造のアサノ不燃(本社東京、浅野成昭社長)は耐火、耐震の性能を持つ木造防災シェルターを開発した。木造家屋内の1階に設置し、火災や地震から生命、財産を守る。火災の際に延焼拡大防止に役立つとして、木造密集地域などでの需要を見込む。

同社はホウ酸、ホウ砂を溶かした薬剤を木材に染み込ませて不燃化処理する独自技術を持つ。シェルターは構造材が4層となっていて、最も外側が不燃化処理したスギによる厚さ5センチの耐火構造部となる。2~4層目は耐震構造部で、スギ構造用合板を貼り合わせた耐力壁や、不燃化処理した発泡スチロールなどを用いる。

1000℃に耐え、災害時に活用できる

1000度で1時間加熱する耐火性能試験の結果、シェルター室内の温度は4度程度の上昇にとどまったという。国立研究開発法人土木研究所で大型振動台を使って行った耐震・振動試験では、高い耐震性が実証された。

さらに浅野社長は「耐火構造部は煙や有害ガスの発生を抑え、防腐、防かび性もある」と説明。シェルターを「貴重品の保管や災害時の避難に活用できる」とアピールしている。

開発に当たり、東京都中小企業振興公社の先進的防災技術実用化支援事業の助成を受けた。都は木造住宅密集地域の不燃化に力を入れており、同社の技術・製品が都市防災力向上に貢献することも期待される。10月に東京ビッグサイトで開かれた危機管理産業展に出展し、自治体や消防、工務店などの関係者から注目を集めたという。

既存住宅への設置のほか新築への対応も可能で、セミオーダーで現場に合わせて施工する。例えば幅2メートル90センチ、奥行き2メートル15センチ、高さ2メートル31センチの大きさで、参考価格は250万円から。オプションで給排気、照明、ポータブル電源といった設備や簡易トイレなどを付けることも可能だ。

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