独走カープが「日本シリーズ不出場」への疑問

ファンの興味や観客数の維持は工夫できる

しかも今年のカープのように、10月1日のレギュラーシーズン最終戦から横浜とのファイナルステージが始まった18日まで試合ができずにゲーム勘が鈍ったハンデが、ファーストステージを戦って勢いのある横浜に負けた原因の一つになった。

大喜びの横浜ファンも、いつか同じ思いをする

何事も完全はなく、どんな制度にも一長一短はある。

日本のCSにも、賛成派は「リーグ3位をめざして最後まで競り合うので、消化試合が少なくなってファンの興味をつなぎとめることができる」という。

しかし私に言わせれば、CSがなくても、上位チームが最後まで優勝をめざして競えばファンの興味も観客動員も維持することができる。

一方、CSがあれば、優勝できなくても「3位に入れば敗者復活がある」と考える甘えが、最後まで必死でリーグ優勝をめざす気迫をそぐことになる。いわば「遊んでいる」状態で、今年の巨人がいい例だ。

もう一つの「増収策」というメリットだが、知恵を絞ればCSの短期決戦に代わる策はいくらでもある。

たとえばテレビ中継の改善である。ファーストステージはBSなどで放送したが、肝心のファイナル、広島-横浜戦は民放が地上波で2度、試合途中から放送しただけで、ほかの3試合はBSでも見ることができなかった。

だからCSと日本シリーズを主催するコミッショナーは、増収策をCSに頼るだけでなく、地上波を含む公式戦のテレビ中継を増やすよう、営業努力を続けるべきだ。

私は、ペナントレースでリーグ優勝したチームが、日本シリーズで日本一を競うことこそが「プロ野球の大原則であり魂だ」だと思っている。だからリーグ優勝が決まったあとに営業目的でCSを行うのは魂を売ることになる。

私は昨年9月にもこのコラムでCS問題を取り上げ、『カープファンはCSで負けたら、がまんできるか』と書いたが、私の憂慮は現実になった。これまで独走に酔っていたカープファンは、いまこそ怒るべきだ。そしていま大喜びの横浜ファンも、いつか同じ体験をするだろう。

幻冬舎plusの関連記事
スクワットで体脂肪が燃える!
「リーマンショック以降仕事を失いメンタルを病みました。もう何年も笑っていません。」回答「人が過去を懐古するのは、今を変える勇気がないとき。アランのあの言葉を贈ります」
「来年こそは満開の桜を見に来よう」私と妻のささやかな願い
ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • 日本野球の今そこにある危機
  • ほしいのは「つかれない家族」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT