看取りまで行う、高齢者シェアハウスの実情

「施設」ではなく「家」

【画像7】銀木犀を運営する、シルバーウッド代表取締役の下河原忠道さん(画像提供/シルバーウッド・下河原忠道さん)

銀木犀はシニアの新しい暮らし方の一例です。高齢者の暮らし方は、今後どのように多様化していくのでしょうか。淑徳大学総合福祉学部 社会福祉学科教授の結城康博先生にお伺いしました。

「銀木犀のようなサービスつき高齢者住宅は増えており、現在は20万戸以上あります。『施設』ではなく『家』であり、自由度が高いのがメリットです。」(結城先生)

しかし、医療施設と密に連携して、「看取り」まで行っている銀木犀とは異なり、サービス付き高齢者住宅のなかには介護施設ではないために医療との連携がなく、結局特別養護老人ホームなどに移動しなくてはならないケースも多々あるとか。

そして「なによりも『お金』が問題です。厚生年金の受給者であれば、サービス付き高齢者住宅への入居は難しくありませんが、国民年金の受給者が入居するのは困難なのが実情です」結城先生は言います。

また結城先生によれば「老後は友人同士で」という話もありますが、「いくら仲が良くてもいきなり同居をしては失敗が多い」とも。

「助けられ上手な高齢者」になってほしい

理想だけでは語れないのがシニアの暮らしの現場。病気への対応、普段飲む薬の管理など、医療サービスとしっかり連携した「終の棲家」になれるような、ワンストップのサービス付き高齢者住宅の増加が期待されるところです。若い世代は、老後の資金の蓄えについて考えつつ「助けられ上手な高齢者」になってほしいと結城先生はお話しくださいました。

核家族化や家族と離れて暮らす高齢者の増加で、暮らし方はずいぶん変わってきています。また、認知症などや病気の程度にも個人差があり、少しの介護があれば自力で生活することができる人もいます。それぞれがどのような暮らしを選択するのか、地域はどのように支えていくのか。そして、高齢者自身がその場に溶け込んで自分たちが残せるものを模索することも必要です。シニアの暮らしが多様化する昨今、いまださまざまな問題が未解決のまま残されています。それでも、本人の心持ちと周囲のサポート次第で、日々の生活を前向きで明るいものにできるのではないでしょうか。

●取材協力
・株式会社シルバーウッド
 
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