京王「調布駅前」新施設でイメージ刷新なるか 現在の空間は「安藤忠雄」デザインの広場に

拡大
縮小
地下にある調布駅の真上には広い空間がある(撮影:尾形文繁)

かつての調布しか知らない人は、その様変わりに面食らうことだろう。2012年に京王電鉄京王線の調布駅が地下駅となってから5年。地上駅が撤去され、広い空間となり、周囲には商業施設が建設された。

9月29日、調布駅の上に新しい商業施設「トリエ京王調布」がオープンした。京王電鉄ではデザインコンセプトを「”街を結ぶ”、”人を結ぶ”、”緑を結ぶ”」とし、街のランドマークとなれるような施設づくりを目指した。人口減少時代を迎えるにあたって「選ばれる沿線」そして「選ばれるまち」となるために沿線価値を高めたいという思いが背景にある。

トリエ京王調布は「まちとのつながり」を強調する。果たして駅前の大型商業施設が周辺のまちと共生し、まちを盛り上げられるのか。

外観は狭く見えても、内部は広い

まず、トリエ京王調布の施設について見ていこう。トリエ京王調布は調布駅立体交差化事業と連関しており、鉄道用地を地下化してできた土地にA館・B館・C館と3館の商業施設を建設した。A館はいわゆる「駅ビル」らしい商業施設だ。1階は食品フロアとなっており、「成城石井」を中心に「神戸屋」「アトリエうかい」といった少し価格帯が高めの店舗が入居している。

いかにも「駅ビル」らしいトリエ調布A館(撮影:尾形文繁)

エスカレーターを上がると2階と3階はファッションのフロアで、20~30代女性向けのファッションブランドが多く入居。外観では幅が狭い建物のように感じても、中は広く感じる。これには京王電鉄のこだわりがあり、一部の棚の高さに制限を設けて広く見せる工夫をしているとのことだった。

4階はライフスタイルのフロアとなっており、より多様な年齢層へのアプローチを志向している。キッズスペースも設けられ、子供連れの親御さんも訪れやすくしている。最上階はレストラン街となっていて、1階と併せて食に関してはかなり上質なものを入れてきた印象を受けた。

次ページ調布は「映画のまち」だった?
関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT