驚安ドンキが苦境の「ユニー」に入り込むワケ 「メガドンキ」に転換、ファミマも出店へ

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業績絶好調のディスカウントストア、ドン・キホーテ。大原社長はユニーとの提携について「『血縁者』になるべく40%の出資をした」と語った(写真:編集部)

なぜドンキホーテが40%も出資する必要があるのか――。8月24日に開かれたユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)とドンキホーテHDの記者会見ではこうした質問が何度も飛び出した。

両社は同日、資本業務提携に関する基本合意書を締結した。6月13日には業務提携検討の開始を発表していたが、2カ月あまりで決まった内容には、業務提携のみにとどまらず、ユニーファミマ傘下で総合スーパー(GMS)を運営するユニーの株式40%をドンキが取得することが盛り込まれた。

ドンキの提案は「渡りに船」だった?

事の発端は今年5月のゴールデンウィーク前後、ドンキ側からユニーファミマに提携話を持ちかけたことだ。

ドンキは破綻した老舗GMSの長崎屋を2007年に買収し、「MEGAドン・キホーテ」として再生させた実績を持つ。それ以降も家電量販店やパチンコ店など多くの居抜き物件を割安で取得し、出店を続けてきた。ただ、最近ではこうした居抜き物件が減ってきたこともあり、ユニーファミマにアプローチした。

今後はユニーが展開する「アピタ」「ピアゴ」とドンキがコラボする店舗が増えていきそうだ(写真:編集部)

他方、ユニーの業績は停滞している。食品や衣料品が苦戦し、2017年度第1四半期(3~5月期)の既存店売上高は前年同期比1.8%減。客数に至っては同2.4%減という着地だった。

本業の儲けを示す営業利益も39億円と、前年同期比14.6%減に終わっている。不振店のリストラを進めるユニーにとって、ドンキから持ちかけられた話は「渡りに船」だったに違いない。

5月の時点では「(ドンキから)さまざまな提案があったが、最初は業務提携から始めて、将来的に資本提携もあるかなという話だった」(ユニーファミマの髙柳浩二社長)。だが、交渉を続ける中で6月下旬から潮目が変わり始める。

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