六本木ヒルズの「帰宅困難者」対策がすごい

災害発生への備えはこうなっている

【画像5】備蓄倉庫内にある防災備蓄品のうち、医薬品など。但し、住宅居住者には1週間の在宅避難に備えたエマージェンシーキットを配布している(写真提供/森ビル)

なお、非常食は、森ビル全体で27万食を準備しているが、帰宅困難者用に、約1万人分あり、1人当たり1日3食3日分、プラス予備を加えた10万食を保管している。「お子さま用や高齢者用の食料、食べ物アレルギーの方向けの食料も準備しています。非常食というと、乾パンをイメージするかと思いますが、乾パンは喉が乾くので、3日間あきずに食べられるように考えて、さまざまな種類のマジックライスやレトルト食品などを用意しています」

【画像6】袋に水やお湯を注ぐだけで炊きたてご飯ができるマジックライス。炊き込みご飯など種類も豊富だ(写真提供/森ビル)

震災時に、帰宅困難者を受け入れる場合の条件やルールはあるのだろうか。「人数制限はありますが、条件はなく、どなたでも受け入れています。混乱を招かないようスタッフの案内に従っていただくことはもちろんですが、帰宅困難なお客さまであっても、災害時は『自助』『共助』が大切です。何かあれば医療従事者にお手伝いいただくこともありますし、東日本大震災時は備蓄品の運搬や配布なども動ける方には動いて手伝っていただくようお願いしました」。

東日本大震災の経験から、『公助』には限界や制約があり『自助』『共助』の重要性があらためてクローズアップされてきた。私自身も仙台市で東日本大震災を経験して、帰宅困難者の列で、例えば松葉杖で歩く人に寄り添ったり、食料を求めて並ぶ商業施設前の行列で子供連れの方に声をかけるなど、他人と支え合う姿を目の当たりにした。そして今回お話を伺い、普段からの防災に対する高い意識と準備、『自助』『共助』という意識がいかに大切かをあらためて痛感した。

帰宅困難者を受け入れられる施設としては、他にも大型商業施設のほか、マンションなどがあり「逃げ込める建物」は、今後増えていくと思われるが、森ビルが行っている「徒歩出退社訓練」のように、実際に会社から家まで歩いて、途中にどんな建物があるか、いざという時に避難できる施設や危険なところなどを確認しておくと、新たな発見があるはずだ。

東京都の帰宅困難者対策条例では、帰宅困難者が多く出ることで、官の救助・救援活動に支障がでたり、帰宅途中に二次災害に遭うことがないよう、災害時にむやみに移動を開始しないよう指示を出している。いざというときを想定してハード面、ソフト面の両面でできることを行いつつ、普段から会社内や街、近隣とつながりをもってコミュニティを形成したい。また、家族とも打ち合わせをしておきたい。そして、実際に帰宅困難者になった場合は、『自助』『共助』を念頭に置いて周りを見ながら行動することが重要だ。

●取材協力
・森ビル株式会社
 
SUUMOジャーナルの関連記事
1万円台でここまでできる! 防災グッズのそろえ方
できることから始めよう! 子どもと一緒にできる「プチ防災」7選
震度6以上の地震に襲われる確率は? 予測地図でチェックしてみた
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
市場縮小が止まらない<br>生き残りへもがく製紙業界

紙の国内市場は8年連続のマイナスが必至。ペーパーレス化、原料高で苦境に。三菱製紙は最大手・王子ホールディングスの傘下へ。国内はさながら撤退戦。活路は海外市場か?