六本木ヒルズの「帰宅困難者」対策がすごい

災害発生への備えはこうなっている

自治会は、六本木ヒルズの居住者約800世帯とテナントなどを中心に形成されたコミュニティで、3月11日の震災訓練は、六本木ヒルズ周辺の町内会、商店会、学校、地元の消防団なども交えた街全体の訓練で、毎年約1000人が参加するという。

【画像2】2016年の森ビル総合防災訓練の様子。全社員が参加して炊き出し、応急手当なども本番さながらに行った(写真提供/森ビル)

社員を対象とした防災訓練だけでも年25回実施。また、3年に1度、救命講習・AED講習を受講して、全社員が救命技能認定を取得することが義務づけられているなど、全員が防災に前向きに関わる姿勢の現れだ。
また、帰宅困難者の誘導、情報提供、備蓄品の運搬、仮設トイレの設置などの対応訓練も行っている。

初動対応のために近隣も巻き込んでの防災組織体制

「災害は、夜間、休日など、いつ起きるか分かりません。社員はオフィスを離れていることも多く、万が一のとき、すぐ現場に駆けつけられるとは限りませんが、災害時の初動対応は非常に重要です。森ビルでは、近隣2.5km圏内に防災要員社宅や管理社宅を配置しています。防災要員社宅に住む防災要員は、震災などの有事の際、速やかに指定されたビルへ出動し、初動対応をおこなう社員約100名です。管理社宅は、管理部の社員で、有事に限らず、日常の建物運営管理を行う上で発生したトラブル等を速やかに対応する社員が住む社宅です。

いずれも、災害時の初動活動やいざという時に対応できるよう、訓練への参加を条件に募集した人員で、有事の際に迅速な初動活動が行える体制を構築しています。防災要員社宅居住者の方は、2ヵ月に1回、一般社員より高い頻度で定期的な特別震災訓練を実施しています。自助、共助、公助の、自助はもちろん『共助』という意識を持って取り組んでいます」(山下さん、以下同)。

『自助』とは自分で自分を助け、救助される人にならないことだ。『共助』は、近隣、企業、地域のコミュニティなどで互いに助け合うこと。そして『公助』は行政による救助や支援のことをいう。

防災要員には、会社からヘルメットや防災服、安全靴などを貸与し、いざというときに動ける体制を整えている。そして、東京23区内で震度5強以上の地震が発生した場合、予め決められた震災対策組織に自動的に移行する。開発区域のみならず、周辺地域にも貢献できる防災拠点を目指し、周囲を巻き込む防災体制を築いているのだ。

次ページ3日分の非常食などを準備
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