知られざるトイレットペーパーの「損得問題」

シングルが得か、ダブルが得か

1ピッチ=24cm。つまり筆者の場合は、一度に1.2m分使っていることになる。エリエールのダブルは1ロール=30mなので、25回で1ロールのペースで消費する。一方、シングルは1ロール=60m。今回一度に使っている量は約1.7mで、約35回分で1ロール消費することになるので、その差は10回分。“筆者調べ”ではあるが、シングルのほうがお得といえそうだ。

石川さんいわく、生活者調査でも、1日の使用量はシングル0.39ロール/日、ダブル0.42ロール/日でダブルのほうが若干使用量が多いことが分かっている(使用量シングル:ダブル=9.3:10)とのこと。シングル、ダブルで1回に取り出す長さは異なるが、慣れた量(ボリューム)に合わせるように無意識に使用する長さを変えており、同等の使用量になっていると考えられる。

また、子ども(主に小学生以下)は大人と比べると取り出す長さはとても長く、トイレットペーパーの減りが早いため、経済合理性を考えてシングルを購入している傾向が高いことも分かっている。

さらに、冨田さんいわく、「過去のデータを見ると、一度に使うトイレットペーパーの長さは、1~1.5m分くらいが一般的です」とのこと。また、「関東圏と関西圏では、好みも違います」とも。

筆者は以前、「関西ではシングルを使う人が多い」という噂を聞いたことがある。住むエリアによって好みや売り上げは実際違ったりするのだろうか?

「関東圏では、シングル:ダブルの比率は4:6で、一方の関西圏では、6:4です。おそらくですが、関西圏では経済合理性を重視する方が多く、シングルのほうがお得だという認識が強いのだと思います。例えば、子どもがたくさん使ってしまうなどです。関東圏では、どちらかというと『お肌に良いものを』といったように、品質重視の方が多い印象です」(冨田さん)

意外と僅差ではあるが、「関西ではシングル派が多い」という噂は、売り上げの面でも証明された。実際、SUUMOジャーナル編集部員も、大阪から東京へやってきて、「(ダブルを使う)東京の人は、なんて贅沢な!」と思ったとか……。

ちなみに東北まではダブル派が多いそうだが、北海道ではシングル派が多いという説も。北海道はご存じのとおり寒い地域。冬は石油などの燃料費にかかる出費が大きくなるため、節約志向の人が多いと考えられている。

意外と知らないトイレットペーパーのこと

ここまで、ダブルとシングルの特徴やどちらがお得かということを聞いてきたが、せっかくなので「中の人」だからこそ分かる“トリビア”的な話やオススメの製品も聞いてみた。

――トイレットペーパーは物によって使い心地が全然違うけど、どうして?

「品質の違いは、紙の原料で大きく異なります。弊社では、木材を材料にして製造した新しいパルプ、バージンパルプ100%で製品づくりをしていて、柔らかな品質を目指しています。たまに見かけるリサイクルパルプ(再生紙)を使った製品の場合、価格は安くはなりますが、一度印刷したものを水でパルプ状に戻すため繊維が短くなって絡みが強くなり、紙が硬くなってしまいます」(石川さん)

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