社長の役割とは「社員を感動させること」だ どうすれば社員を感動をさせられるのか

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社員を「感動させる」とは、どういうことか?(写真:CHIRO / PIXTA)

社員を感動させる、周囲を感動させる、多くの人を感動させる――。このことは、経営において、極めて重要であると思います。感動は、相手を喜ばせるということではありません。喜ばせるというだけなら、なにか物をあげれば、喜ぶかもしれません。社員の給料を上げれば、社員は喜ぶだろうと思います。なにか助けてあげれば、相手は喜ぶでしょう。

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辞書にも、喜ぶとは「うれしく思う」、感動するとは「心が動く」とあります。

やはり、喜ばせる程度だけでなく、一歩深めて、社員を「感動させる」ことこそが、社長として、あるいは上司として心掛けるべきもっとも重要なことではないかと思います。

PHPで実施した「バースデー休暇制度」

PHP研究所社長時代、私も社員に喜んでもらうことをいろいろと実行しました。たとえば、「バースデー休暇制度」を実施しました。有給休暇ですが、公式の有給休暇とは関係なく、社員の誕生日の前後、1週間の期間で1日取ってもらうようにしました。社員は大いに喜んでくれましたが、もちろん、感動してくれる域まではいっていなかったと思います。

あるいは、物故した社員の、残されたお子さんたちには、大学を出るまで、小学生、中高学生、大学生と金額は異なりますが、奨学金を出す制度も実施しました。週1回ノー残業デーを強制的に設定し、また、法定残業時間の順守のため、毎月1回、社員との懇談会で確認、チェックする制度もつくりました。関連の大企業の、それぞれの同期より10%多く給料を支給することを実行したり、女子社員の積極的活用、外国人の役員登用(当時100%日本企業出資の会社で外国人役員はいませんでした)などにも取り組みました。

ほかにもいろいろなことを実施しましたが、しかし、こういうことは社員に喜んでもらう程度のこと。決して、感動させるというまでのものではありません。やはり、社員の心を揺さぶるような思い、言動によって感動を与える、社員に、そのような感動を与える経営をしなければ、会社は発展しませんし、成長充実も短命に終わってしまうでしょう。

それでは、感動を与えるためには、どうすればいいのでしょうか。

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