間違った歩き方と靴の選び方が不健康を招く

悪い癖がつくと体にダメージを与えかねない

とくに変形性膝関節症の人は、骨盤を振らないで上半身を振って歩くのでこの歩き方になりがちです。また、梨状筋が疲労して短くなってくると、O脚の原因にもなるでしょう。

「必要以上に足を持ち上げる歩き方」の人は、つまずきやすくなります。自分では決して足を高く持ち上げているつもりはないのに、母趾でしっかりと地面を蹴らずに、足の裏で地面を押すようにしているから、結果として足が高く上がることに。この歩き方では前に進むための脚筋であるふくらはぎの下方のヒラメ筋が使われず、代わってふくらはぎ上方の腓腹筋を使うことになって、つまずきやすいのです。

さらに、足を持ち上げるためには大腰筋を使うので身体が前傾してしまい、前傾姿勢になることでもつまずきやすくなります。

間違った歩き方を改善するトレーニング

ここまでの、中高年に目立つよくない歩き方を見ていくと、重心移動がうまくできないことが大きくかかわっていることがわかります。

しかしながら、これまで無意識で行ってきた歩行時の重心移動を、調整するのは難しいもの。そうした人でも、スムーズに重心移動ができるようになるトレーニングがあります。「後ろ歩きトレーニング」です。

歩行の際の重心移動には、お尻の筋肉の大臀筋やふくらはぎのヒラメ筋を鍛える必要がありますが、後ろ歩きは、この大臀筋とヒラメ筋の両方を鍛えることができる効率的なトレーニングなのです。後ろ歩きでこの2つの筋肉が鍛えられると、重心移動が円滑になり、膝が伸びた正しい歩き方ができるようになります。

普通に歩くときは一方の足のかかとからついてもう一方の足の母趾で地面を蹴りますが、後ろ歩きは、その逆の母趾から地面につくところからスタートします。そのために、後ろ歩きをすると、大臀筋とヒラメ筋の2つの筋肉を前歩きより約6倍も使うことになるので、筋力トレーニングとしての強力な効果も期待できるわけです。

後ろ歩きには即効性もあります。以前、雑誌での歩き方の誌上レッスンで、ある女性エッセイストにこの後ろ歩きをやってもらったことがあります。ご本人も認める前傾姿勢で、どちらかというと歩く際に膝が伸びず、膝を曲げたまま歩いている様子でした。ところが2、3回ほど後ろ歩きをやってから再び歩いてもらうと、その場で膝が伸びた正しい歩き方ができるようになったのです。もちろん、後ろ歩きのトレーニングは1回やれば終わりではなく、少なくとも1カ月の間は毎日続けるべきものです。後ろ歩きのトレーニングにより、指摘されてもなかなか改善しなかった歩き方の悪いくせが自然に矯正されていきます。

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