あきらめない平成起業家の世界を変える"旅" 新世代リーダー trippiece CEO 石田 言行

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石田 言行
trippiece(トリッピース) CEO
石田 言行
1989年9月、日本でも有数のバドミントン選手で自然が好きな父と、海外旅行好きな母の間に生まれる。東京都調布市育ち。名前は「いあん」と読み、米国人の祖父を持つ。日本大学第三高校を卒業後、中央大学商学部商業貿易学科に入学。5年をかけ2013年3月に卒業。大学1年のとき、他大学の学生とともに途上国支援の学生団体「うのあんいっち」(現在はNPO法人)を立ち上げ、事務局長として活動に打ち込む。SNSを通じて旅行参加者を集め、バングラデシュへのスタディツアーを組んだことが転機となり、大学3年も終わろうとしていた2011年に「トリッピース」を起業。最も印象に残っている旅行先は南米・ボリビアのウユニ塩湖。

「ラオスで象使いになろう!」

「無人島でサバイバル! 過酷な生活、覚悟して参加してね!」

「パイロットになろう! 離陸→着陸まで本格操縦体験! グアムかハワイで☆」

あるウェブサイトを開くと、こんなメッセージの数々が大きな写真とともに目に飛び込んでくる。これらはすべて、原則として誰でも参加が可能な旅行への呼びかけ。一般的な旅行会社の店頭にあるパンフレットとは、まるで違ったツアー内容ばかりが並んでいる。

見知らぬ他人同士が、旅に出る

サイトの正体は、「みんなで旅を作るソーシャル旅行サービス」をうたう「trippiece(トリッピース)」(http://trippiece.com/)。ユーザー自身から旅行のプランを募り、それに共感する人をサイト上で集め、参加者同士でさまざまなことを相談して具体的なプランを決め、提携する旅行会社を通じて実際のツアーを提供する。簡単に言えば、共通の目的を持った旅を志向する他人同士を、ネット上で引き合わせるサービスだ。旅行当日、ユーザー同士が初対面する光景も珍しくない。

トリッピースのページ

ユーザーはフェイスブック(Facebook)などのソーシャルメディア(SNS)を通じて登録し、原則として実名で利用する。旅行会社からの手数料で収益を上げるビジネスモデルとなる。現在はブラウザベースだが、今後はiOS(iPhone、iPad)やAndroidに対応したアプリも展開する予定だ。

このトリッピースを立ち上げたのが、今春、大学を卒業したばかりの石田言行(いしだ・いあん)。平成元年(1989年)生まれ、弱冠23歳の青年である。当時、大学生だった2011年3月に会社を立ち上げ、翌12年1月から本格的なサービスを始めた。直近1年で実施にこぎ着けたツアー企画は約200、これまでにトリッピースを通じて旅行に参加したユーザーは約9000人に上る。大学生から30歳前後の社会人まで若い世代が中心だが、上は70代のユーザーもいる。

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